47話 ページ48
しのぶ「ちゃんとご飯食べてますか？」
A「え？」
しのぶ「前見た時よりも分かるくらい細くなっているので」
A「しのぶさんには話さないといけないかな」
しのぶ「え？」
Aは今までに無い真剣な表情でしのぶを見つめる。
A「多分私はこの戦いで命を落とす」
しのぶ「えっと？」
A「あれからずっと、藤の花を摂取してたんだ」
しのぶ「…え」
A「最近ではご飯を食べても美味しくない、食欲も無いし体内に毒が回ってる証拠なんだと思う」
しのぶ「死なないでください…」
しのぶは泣きそうになりながら訴える。
A「私は死なないよ」
しのぶ「でも！」
A「人は2回死が訪れると思ってる、1回目が肉体的の死、2回目が皆の中から忘れ去られた時だと私は思ってる」
しのぶ「それは」
A「だから、私が死なない為にしのぶさんに忘れないでいて欲しい」
しのぶ「絶対忘れるわけないじゃないですかっ！」
A「約束だよ」
しのぶ「…はい」
A「しのぶさんはどうしていつもそんなに笑顔なの？」
しのぶ「…それは、姉さんが好きだって言ってくれたものを絶やさない為です」
A「そっか、今も辛いんだね、しのぶさんは」
しのぶ「どういうことですか？」
A「…しのぶさんと来世でまた巡り会えたら、嬉しいな」
Aはしのぶの問いに答えることは無かった。
しのぶ「その時は私から話しかけます」
A「それは嬉しいな…私が居なくなっても、みんなで幸せになってね」
しのぶ「私は花藤さんが居ないとダメなの知ってますよね…」
A「知ってるよ、でもしのぶさんは大丈夫だよ」
しのぶ「いやっ、死なないで」
A「まだ死ぬって決まったわけじゃないよ」
しのぶ「それでもっ」
A「それじゃ、しのぶさん、さようなら」
Aはそれを最後にひとつの物を落としてその場から姿を消した。
しのぶ「これは…手ぬぐい」
Aは手ぬぐいをわざと落として帰った。その涙を拭いて欲しかったからだ。
しのぶ「Aさんっ…」
しのぶはその手ぬぐいを抱き締めるように握り、涙を流した。この時、初めてAの事を名前で呼んだ。この事はAは知らない。
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天霧(プロフ) - 大切な人だから悲しませたくない。だからあんな事を言って距離を置いた。確かに、夢主はこの世界の住人じゃないいずれ死んでしまう…。その事を分かっていても離れたくないしのぶさん…。辛いですね。早く寄りを戻して欲しいですね (2022年1月31日 16時) (
レス) @page40 id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
天霧(プロフ) - 続きがとても気になります。次の更新待ってます！ (2022年1月28日 12時) (レス) @page38 id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にーと。 | 作成日時：2021年12月19日 3時
