43話 ページ44
街におりてみると、前来た時のように賑やかだった。
A「どう言うのにしようかな」
考えていると、着物が沢山置いてあった所を覗いて見た。グルっと1周してみると黒と紫のスカーフが1枚だけ置いてあった。
A「これにしよう」
この時代にスカーフが置いてあるのにびっくりして、手ぬぐいよりもこれの方が見栄えが良かっためこれにした。
A「お勘定お願いします」
スカーフを購入した。値札も取ってもらい、鏡の前でいい感じに首に巻く。
A「こんなもんかな」
そのまま店を出て、屋敷に帰ろうとすると、誰かに羽織を掴まれた。
カナヲ「…如月さん」
A「カナヲさん？」
カナヲ「全然蝶屋敷に来てないから、師範が寂しそう」
A「しのぶさんのこと？」
カナヲ「うん」
A「もういいんだ、しのぶさんの事幸せにしてあげてね」
カナヲ「え、私は無理です」
A「カナヲさん、ちょっと歩きながら話そうか」
カナヲ「はい」
2人は並んで歩き街から離れた。
A「カナヲさん」
カナヲ「はい」
A「どうして無理だと思うの？」
カナヲ「私は何が幸せか分からないから」
A「それは私も一緒だよ」
カナヲ「え？」
A「人は皆、幸せとは何か、幸せになる為にはどうすればいいか考えながら人生を歩んでるんだ」
カナヲ「…」
A「カナヲさんに言っておきたい事もあるんだ」
カナヲ「なんですか？」
A「これから鬼舞辻との戦いが始まる、沢山の死者が、犠牲者が出る。それでもし鬼が居なくなった世界で生きられたなら」
カナヲ「？」
Aは足を止めてカナヲの方を向く。
A「これからもきっと沢山辛いことも苦しい事もあるかもしれない、でも死ぬな、死のうって考えないで欲しい、その前に全て吐き出せ、文句だって弱音だって吐き出していい、だから、その時、その瞬間を生きて欲しい」
カナヲ「…」
A「皆のこと、幸せにしてあげて欲しい」
カナヲ「どうして如月さんはみんなと幸せにならないんですか？」
A「私はもう長くないからね、多分死ぬと思う」
カナヲ「え？」
A「分からないけどね」
カナヲ「死なないでください、師範も悲しみます」
A「…私は死なないよ、大丈夫、しのぶさんには話した事言っちゃダメだよ」
カナヲ「はい」
A「それじゃあ、気をつけて帰ってね」
カナヲ「はい、ありがとうございます」
2人は別れ、各々の屋敷に帰っていった。
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天霧(プロフ) - 大切な人だから悲しませたくない。だからあんな事を言って距離を置いた。確かに、夢主はこの世界の住人じゃないいずれ死んでしまう…。その事を分かっていても離れたくないしのぶさん…。辛いですね。早く寄りを戻して欲しいですね (2022年1月31日 16時) (
レス) @page40 id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
天霧(プロフ) - 続きがとても気になります。次の更新待ってます！ (2022年1月28日 12時) (レス) @page38 id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にーと。 | 作成日時：2021年12月19日 3時
