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「……」



教室を目の前に
足がすくんで動けないわたし



そんなわたしを横ぎりながら
ヒソヒソ聞こえる話し声




もうずっと切っていない横髪を
手でギュッと握りしめながら

ここにきたことを早くも後悔していた


チョン・ナヨン16歳

退学ギリギリまで追い込まれ
なんとか学校に登校



夏休みも終わり肌寒さを感じるようになった
今日この頃
Uターンして早くも下校となるのか…




「…そこじゃま」

「へっ…」



とっさに振り向くと
マシュマロのようなお肌の男の子が
わたしを見つめている



「どけって言ってんの」

「…ごめ、んなさい」






…いや睨んでいた

横髪をギュッと握りかえして
顔を下にむけながらサッとどいた









「…はいんねーの?」



その言葉に思わず顔をあげると

眉間にしわを寄せながら
首をかしげる彼



「…は、はいる」



「席わかんねぇだろ」





来いよ、と割と低い声でそう言って
わたしの前を歩きだした





わたしのこと知ってる…



胸が熱くなって


ガチガチになっていたはずの足は

気づけば教室に入り
一歩、また一歩動いていた




周りなんてなんにも見えなかった


顔をまっすぐ前にむけて歩いている自分を
初めて誇りに思った





「おまえがナヨンだろ」

「…うん」


わたしの前を歩く意外と大きな背中に
ドキッとしてまた顔がうつむく

でも後ろめたさとか
申し訳なさでいっぱいになっていた
あの頃とは違う




「ここ。おれの隣」


窓側の一番後ろの隅っこ


これはなにかのドラマなのでは…

ボーッとしている私をよそに
椅子に座ってヘッドホンをつける彼




机をポンポンっと叩くと
ヘッドホンをはずして
めんどくさそうな顔をする彼




髪をまたギュッと握りながらも
わたしなりに精一杯声を出した



「…よろしくお願いします」



「…おう」



チャイムが鳴って
みんな席につきはじめる



ペコっとおじきをして
わたしも席に着いた

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作者名:ぷみこ | 作成日時:2018年4月25日 18時

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