26話。 ページ31
悠佑side
ゆ「ん………?
あ、せや。あのあと…」
あのあとも、暫く皆で話してるうちに寝落ちたことを思い出す。
時計をみると、時刻はまもなく8時になろうとしていた。
あんなに寝ることが、目をつぶることが怖かった俺も、どうやら朝までぐっすりやったらしい。
「んー……、あれ、今何時……?」
昨晩、俺らがゲームをしてる途中で早々に寝落ちてた奏夢が目を覚ます。
きっと、奏夢のことだから俺の事を心配して、気を張ってめちゃくちゃ色んなこと考えて、疲れてたんやろ。
ちょっと何かあるだけで気を貼りすぎるのがこいつの悪いとこやと思う。
まあ、優しすぎる、なんて言葉に変換してしまえば長所でしかないんやけどな。
ゆ「おはようさん、8時やで」
「あ、悠くんおはよ。
ごめんね!私すぐ寝落ちちゃったみたいで…
しっかり寝れた?」
ゆ「俺もさっき起きたとこやで、大丈夫、ぐっすり寝れたわ」
「そか、よかった…
いふくんに感謝だね」
ゆ「ほんまにな」
まあ、またフラッシュバックしたら…って考えたら、まだ解決とも言えないけど
とりあえずはしっかり寝れたことが大事やんな…
メンバーも、まだ完全に今まで通りとはいかないかもやけど、問題なさそうやし…
ゆ「次の問題は、外に出ることへの恐怖か……」
「悠くん………。」
ゆ「だめやなぁ…。
メンバーとも会えて、話せて、朝までしっかり寝ることもできて…順調かもとか、すぐ立ち直ってやるとか、少しでも思った俺が馬鹿みたいや……。」
数日後にはダンスレッスンもあるから、外に出なあかんのに…。
「ねえ、悠くん?
時間はたしかにないかもしれない。
ダンスレッスンもあるしって思うのはわかる。
けどさ、そんなときこそゆっくりいこうよ。
焦ったら、上手くいくことも上手くいかなくなるよ。」
ゆ「奏夢…。」
「完全に克服はできなくてもさ、スモールステップでいいんだよ。
少しでもできることが増えれば、対策だって考えられるし、少しづつ頑張ってみよ?」
ゆ「せやな…。
すまん、焦りすぎてた。
そうやな、ゆっくり頑張るわ。」
奏夢は、俺がなにかにとらわれて、焦った時、よく目を覚まさせてくれる。
今回もそうや…。
きっと、奏夢がいなかったら、焦った結果上手くいかなくてそれにまたイライラして…なんていう負のループに何回も陥っていたと思う。
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紫伊那(プロフ) - 琥珀糖くんロボ@らびまるもしもちゃん推しさん» そう言っていただけると嬉しい限りです( *ˊᵕˋ)ありがとうございます、がんばります! (6月29日 18時) (レス) id: 88114a294e (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖くんロボ@らびまるもしもちゃん推し - ダメだ、リアルすぎて涙腺崩壊…続き楽しみに待ってます! (6月29日 16時) (レス) @page14 id: 05d80f8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
えある。 - 紫伊那さん» 返信ありがとうございます。お互いゆっくり無理せずやっていきましょ!! (5月15日 7時) (レス) @page17 id: 9c1c96d73e (このIDを非表示/違反報告)
紫伊那(プロフ) - えある。さん» コメントありがとうございます!作者自身、FTXとノンセクシャルを自認してるので自分が悩んだこととか、経験から書いてます!亀更新にはなりますが今後もよろしくお願いします(*^^*) (5月14日 19時) (レス) id: 88114a294e (このIDを非表示/違反報告)
えある。 - コメ失礼します。ぼくはFTM、ノンセクシャルなのですが、この作品が優しい(?)のが嬉しかったです。こういう作品には、どうしても馬鹿にする表現が入っていたりして、読むのに躊躇しましたが、今では読んでよかったと思っています。神作品ありがとうございます。 (2023年4月10日 16時) (レス) @page10 id: 9c1c96d73e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫伊那
作成日時:2022年6月26日 22時