1話 嫌な予感 ページ3
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はぁっ…はぁっ…
足が、痛い……
身体が熱い……
目眩がする、喉が痛い……。
目に入ってくる汗のせいで視界はぼやけ、
照りつける日差しの下、裸足で駆ける少女の意識は
間も無く飛びそうであった…
しかし、少女は走ることをやめなかった_________
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行くんじゃなかった。
一人で山なんて降りなければよかったんだ。
嫌な予感がした。
有一郎があの女性、産屋敷という女性に水を掛けて
追い返したあと、
2人の喧嘩はいつになく本気だった。
気弱く黙っている無一郎が、初めて怒りをあらわに
していた。
ご両親がなくなった以降、2人はすれ違うことが多く
なっていったのは、私にでも見て取れた。
しかし、
生きなければならないという思いは通じ合い、
それでもなんとか2人で生活をしていた……
なのに…
…
「何度も言っているだろ!
俺達にできることは犬死にと無駄死にだけなんだよ
大体、"鬼"なんてものがいてたまるか!
いい加減目を覚ませ!!」
「そんなことない、僕達は、
言ってたじゃないか!あの女(ひと)が!
僕達は人を救うことができるんだって。
それに、何度も僕達を説得しに来てくれたあの女に
水を掛けて追い返すことないじゃないか!
見損なったよ。もう、有一郎の顔なんて見たくもな
い!!」
「あぁそうかよ、勝手にしろよ。米も炊けないよう
なお前が、自分こともできないお前が、
他人がどうのだなんていう資格はない。
俺もお前とは口をきかない。」
「あぁ、勝手にするよ!」
どうしていいかわからなくて、私は声をかけられな
かった。
いつも、弱気な無一郎がまっすぐ有一郎の目を見て
怒っていた。
たまには無一郎も怒ることがあるのだろう…
これを機に、わだかまりを解消すれば良い……
でも、それと同時に、
背筋のどこかに嫌な悪寒が走った。
もっと早く、あの感覚に気がつくべきだった
2人を置いて行くべきじゃなかった。
あぁ、
私は私が…
殺してしまいたいほど恨めしい_____________
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母から頼まれたお遣いのために、
喧嘩した2人を置いて私は山の麓の町まで
出かけていた。
本当は、有一郎と無一郎も一緒に誘う予定だった
最近すれ違いの増えた2人の仲を
執り持つつもりだった。
でも、あんな喧嘩を見てしまって…
声をかけることを諦め、一人で山を下った。
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そして、
翌日、山に帰ってきた時
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目にしたのは、
血に染まった____________________
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澪(プロフ) - 匿名な鬼殺隊員さん» ありがとうございます!直しておきますm(__)m (2019年10月21日 7時) (レス) id: 17e86f282f (このIDを非表示/違反報告)
匿名な鬼殺隊員 - 設定キーワードの所の漢字が時任になってますよ〜ただしくは時透だと思います〜 (2019年10月21日 2時) (レス) id: 3f11779d5f (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - むい君ラブさん» むい君ラブさん暖かいコメントありがとうございます!本日更新予定ですので今後ともどうぞよろしくお願いします!! (2019年10月18日 18時) (レス) id: 17e86f282f (このIDを非表示/違反報告)
むい君ラブ - 面白いです!再新待ってます!!頑張ってください!! (2019年10月17日 22時) (レス) id: 8bf3196fdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:澪 | 作成日時:2019年10月8日 10時