18話 カレーライス-前編- ページ23
黙々と荷ほどきを続ける無一郎の背中は、とても細く
見えた。袖から伸びる腕は骨と皮のようで、時折
髪の影から覗く頬は削がれあの頃、といってもまだ
3月ほどしか経っていないが、と同一とは思えない
様相であるように思われた。
そんなことを思っていると_____
「おーい！」
よく通る声が響いてきた。土門さんの声だ。
彼は、育てとして私たちが鬼を倒す鬼殺隊になれる
よう面倒を見てくれるそうだ。
「はーい！なんでしょう？」
無視する無一郎の代わりに大きく返事をした。
「飯にするで、降りてこんかい！」
「今参ります！」
そうか、忘れていたけれど。
張り出した窓から空を見ると、天高く登ったお天道さ
まがちょうど昼時を示していた。
思い出したかのように、音を立てる自分のお腹を
さすって、無一郎に声をかけた。
「行きましょうか。」
無一郎は作業を止め、黙って立ち上がりスタスタと
一階へ降りて行った。
私もそれに続き、階段を降りていくと、
「良い匂い…」
今までに嗅いだことのない、香ばしい匂いが漂ってき
た。
なんだろうこれは…
鼻腔を擽る、少し辛いような…
「無一郎、これはなんの匂いでしょうか？」
無一郎に聞いてみた…
.
.
返事がない…
「無一r..！」
どうしたのだろうかと、顔を覗き込むように少し
前のめりになってみた。すると…
！？！？
な、なんだろうかこの表情は！！
あからさまに不快…。不快そうだ！！
半顔の目、眉間に刻まれた深いシワ。
小さな鼻を赤くなるほど強く摘んでいる！！
………。あれ、無一郎とはこんなに…可愛く…
「ん"ん"…」
言及はしないでおこう
あぁ、きっと彼には苦手な匂いなのだろう。
元々ふろふき大根や湯豆腐など優しい食べ物が好
きであった。
確かに、好みを分けそうだ…
一体どんな料理なのだろう
居間に行くと、ちゃぶ台の上に用意されていたのは、
「オソマ…！！！！」
「ちゃうわい！
しかもアイヌ語とな！ これは、カレーライスじゃ」
なんと！
私は目を輝かせた。聞いたことがある。
麓の親類が浅草に参詣した際に食べたと言う。西欧か
ら伝わりし印度(インド)の料理。
これが！！
見た目は茶色い、この世の終わりに世界でも覆いそう
な泥…、またはオソマにしか見えないものであるが、
この芳しい匂い、絶対美味しいに決まっている。
実物を目にした無一郎はどんな顔だろう
そっと横の御人に目をやると…
．
．
続く (更新停止中)
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澪(プロフ) - 匿名な鬼殺隊員さん» ありがとうございます！直しておきますm(__)m (2019年10月21日 7時) (
レス) id: 17e86f282f (このIDを非表示/違反報告)
匿名な鬼殺隊員 - 設定キーワードの所の漢字が時任になってますよ〜ただしくは時透だと思います〜 (2019年10月21日 2時) (レス) id: 3f11779d5f (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - むい君ラブさん» むい君ラブさん暖かいコメントありがとうございます！本日更新予定ですので今後ともどうぞよろしくお願いします！！ (2019年10月18日 18時) (レス) id: 17e86f282f (このIDを非表示/違反報告)
むい君ラブ - 面白いです！再新待ってます！！頑張ってください!! (2019年10月17日 22時) (レス) id: 8bf3196fdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：澪 | 作成日時：2019年10月8日 10時
