157話 side zom ページ15
会場全体が大いに盛り上がるドッジボール
俺はボールをどんどん当てていった
Aもボールに当たらないように逃げていて、そんな必死な姿も可愛いと思った
同じチームの外野には長谷川もいる
さすが野球部のエースと言うべきか、スピードの速いボールを投げていた
また長谷川が、敵チームを目掛けてボールを投げた
しかし、それは避けられ、俺達のチームの方に飛んでいく
その先には、
もう一つのボールを避けようと動いたAがいて。
「A！」
そう叫んでももう遅い
見事に、ボールがAの側頭部に直撃した
床に倒れ込んだところを周りにいた女子が囲むと、Aは弱く笑って立ち上がろうとする
俺の頭の中には、去年の学祭前の出来事が浮かんでいた
またあの時みたいになってしまったら。
また何も出来ないまま見ているだけだったら。
そんなことは、絶対に許せなかった
「A、立てるか？」
俺は駆け寄って、その肩を支えた
「…大丈夫だよ、ありがとう」
「保健室行こか」
「ひとりで行けるよ。ゾムは残ってて」
「無理したらあかんで、一緒に行くから」
ゆっくり立ち上がらせると、Aは俺に体を預けるようにして歩を進めた
保健室に着き、先生に事情を話してベッドを借りる
そこにAを寝かせて、氷を貰って頭に当ててやった
「ごめんね、ゾム」
頭に氷を当てて、悲しそうな顔を俺に向けた
「謝ることない」
「私、いつも迷惑かけてばっかりで───」
「大丈夫や。俺が守るから、絶対」
そう言うと、嬉しそうに少しだけ笑ってくれた
「じゃあ、しばらく休んでてな。俺、一回会場戻るから」
「うん、ありがとう」
体育館に戻ると、既に試合は終わっていた
不安そうな顔をしていたシャオロンとロボロにAの無事を告げると、安心したようだった
その後、長谷川が体育館を出て行くのが見えた
多分保健室に行くんだろうな、と思ったけど、俺達は何も言わなかった
結局ドッジボールも優勝して、表彰式では俺達のクラスが総合優勝したことが伝えられた
…Aも一緒に居れたら良かったな
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岡崎 響(プロフ) - きっくんさん» 初コメありがとうございます！そのような言葉を頂けると本当に励みになります…!!(嬉)これからの番外編もよろしくお願いします！ (2017年9月28日 6時) (
レス) id: cbd4920d57 (このIDを非表示/違反報告)
岡崎 響(プロフ) - 柚杜さん» ここまで読んで頂き、ありがとうございます！！番外編も楽しんでもらえるように頑張ります！ (2017年9月28日 6時) (レス) id: cbd4920d57 (このIDを非表示/違反報告)
きっくん(プロフ) - 本編完結おめでとうございます！そして、初コメ失礼します。ずっと読ませていただいていて、とても面白く、こんな文章を書けるようになりたいなぁとずっと思ってました！お疲れ様でした、そして番外編楽しみにしてます！ (2017年9月28日 0時) (レス) id: 236ac4ced7 (このIDを非表示/違反報告)
柚杜(プロフ) - 完結、おめでとうございます！読んでいくうちにどんどん引き込まれていって、毎回更新されるたびに読みに来てました！番外編も楽しみに待ってますね！ (2017年9月28日 0時) (レス) id: 7d9db6dc60 (このIDを非表示/違反報告)
岡崎 響(プロフ) - 奈希さん» ありがとうございます…!!更新止めてしまってすみませんでした…(泣)どうか完結までよろしくお願い致します！ (2017年9月17日 10時) (レス) id: cbd4920d57 (このIDを非表示/違反報告)
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