【d!】Smile for me.【長編小説】

31話　side syao ページ33

トイレから戻ってくると、ひとらんがAちゃんの肩を抱いて体育館から出てきた


「お、おい！どうしたん」

「あぁ、ちょっと色々あって､､
シャオロン、Aちゃん頼んでも良い？俺、他のやつのとこ行ってくっから」


声をかけるとひとらんは俺にそう言った

急いでAちゃんに駆け寄ると、体が震えていることに気づいた

何があったんや､､､？


とりあえず玄関ホールまで行き、長椅子に座らせた


「大丈夫か？何があってん」

「...む、昔の､､中学の時の､､人が来て､､」


中学の時の人？

俺はハッとなった

俺が誘導した人、Aちゃんを見て何か言っていた人

絶対あいつらだ、あいつらが何かしたんか？

詳しいことは分からんけど怒りがこみ上げてきて、今すぐそいつらを殴り飛ばしてやりたかった

でも今はAちゃんの側におるのが先


「大丈夫やから、もう心配いらんから。」


俺は震えている手を握った

少しでも落ち着くように


「うん､､ごめんね､､？」

「何も謝ることない。悪いのはそいつらやから」


それでも小さく震えている体を見ると、このままだとAちゃんが前みたいになってしまう気がした

俺には何が出来るんだろう

必死に考えていると、その男たちが揃って学校を出て行った


「あいつら帰ったで。ほんまに大丈夫や。安心してええんやで」


そんな言葉しかかけられなくて

情けねえ、俺って

ああ、そんな不安そうにせんといてよ

もうそんな顔見たないねん

俺はAちゃんの笑顔が好きやねん

楽しそうな顔が好き、だからそんな顔せんといて


「...シャ、シャオ君､､？」

「ごめんな、でも、俺にはこれしか出来へんよ」


俺はそっとAちゃんを抱きしめた

頭を優しく撫でて、

ぎこちなくて変だろうけど俺にはこれくらいしか出来へんから


するとその後コネシマが来た


「大丈夫か」

「ああ、もうしばらく、ここにおるわ」

「...Aのこと、頼んでええんやろうな」

「ああ、大丈夫や」


短い会話を交わして、コネシマは東館の方に歩いて行った


「落ち着いたか？」

「う、うん、ごめんね」


震えは収まっていて、それを確認してAちゃんの体を離した

てかシッマに思い切り見られたやん､､､

恥ずかしいわあ、どないしよ


でも、Aちゃんの為やったから。

守りたいって思ったから

これくらい、見られても平気やんな

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