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冬休みに入って1週間が経った。
年も明け、始業式まであと1週間と少しになった今日、私達は地元から電車で3駅の街のスケート場に来ていた。
「うわ〜広い！人凄い！」
「ちょっと早い！そんなに走ったら転ぶから！！」
女子2人がスケート靴で走っていく中、私はおぼつかない足取りでリンクへと向かっていた。
向こうで早速はしゃいでいる男子2人を見つけて、4人が合流する。
あれ、シャオちゃんは？
「A！そんなふらふらして大丈夫か？」
「あっ、うん！大丈夫！！」
「なんか危なっかしいから見に来てもうたわ」
辺りを見回すと、リンクの入口にシャオちゃんが立っていた。
聞けば、私が産まれたての子鹿みたいに歩いてきたから心配して迎えに来てくれたとか。さすがに産まれたての子鹿よりは歩けてるけど。
「最初の1歩が怖いんだよね……わっ、」
「俺が掴んでるから大丈夫やで」
「あ、ありがと……」
入口の壁に掴まりながら一歩踏み出すと、空いていた方の手をシャオちゃんが掴んで支えてくれた。
状況的には手を繋いでる形な訳で、場内の空気はひんやりしているのに私の顔は薄く熱を帯びる。
「あいつらのとこ行くか！」
「…うん！」
シャオちゃんはそのまま私の手を引いて皆のところまで軽やかに進んでいく。
それがどうにも恥ずかしくて、4人と合流してもしばらくはまともに会話ができなかった。
けど、その後で何でもないように話すシャオちゃんを見たら、私ばっかり浮かれてはいけないんだと改めて感じた。
─
「疲れた〜そろそろ帰る？」
「うん、帰ろ〜」
滑り始めて数時間、1人がそう言うと皆つられて出口の方に足を進め、次々にリンクを出ていく。
疲れてゆっくり滑る私たちの横を男子たちが通り過ぎて、シャオちゃんだけがリンクから出ずに振り返る。
「お前ら遅いぞ〜！」
「はいはい！すぐ行く！」
シャオちゃんが私たちを煽って、2人が笑って走り出す。
私も同じようにして、出口まであと数メートル。
するとシャオちゃんが「A危ない！」と前に出て、
視界に人影が映って、避けようとしたところでバランスを崩して──
「あっぶな……気ぃつけぇや」
「あ…ごめん」
何が起きたか、一瞬のことで理解できなかったけど、
転ばないで済んだのはシャオちゃんがまた支えてくれたからだ。
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