【d!】虹色の今日を【企画短編】 (ページ3)

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あなただけ/shao ページ3

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「ねぇ！どこ遊びに行く？！」
「そうだね～、ちょっと遠くまで行っちゃう？」
「俺、スキーやりたい！」

高校二年生、冬休み直前。
青春真っ只中の私たちは、この冬を充実させるためのプランを練っていた。
メンバーは私を含めて6人、男女3人ずつだ。
私は言ってしまえば、女子3人の中ではいちばん目立たないと思う。…けど、友達の中に気になる人がいる。

「今度はお前も行くよなぁ、シャオロン？」
「当たり前やんけ！この冬は遊び倒すぞ！」

この「シャオロン」と呼ばれた彼に、私は密かに思いを寄せているのだ。
彼は運動神経抜群で野球部のエース。学業はノーコメントだけど、クラスではムードメーカーで人気者。
……私なんて、このグループと仲良くなれてなかったら話す機会もなかっただろうなぁ。

「じゃあ全員で行くの決定ね！場所は？」
「スキーしかないな」
「あたしはスケートがいい！」
「俺はどっちでもいいけど」
「そうやなぁ、俺どっちもいけるな。Aはどっちがいい？」

ぼんやりしていると、シャオちゃんが私の方に顔を向けて言った。
正直あんまり聞いてなかったけど…えっと、スケートと…？

「あ…私、スケートが良いかな」
「Aもスケートがいいって言うし、多数決でスケートに決まりやな？」
「賛成！いつ行こっか？」

何となくで答えたけど、結局スケートで落ち着いたらしい。
シャオちゃんはこんな風に、皆に平等に話題を振ってくれる。こういうところがムードメーカーたる所以なのだといつも思う。

優しくて、笑顔が無邪気で、誰にでも明るい。

シャオちゃんと付き合ったら、毎日楽しいだろうな…

「A、ぼーっとしてどうしたん？」
「えっ？！あ、なんでもない！」
「そんなんで待ち合わせの日間違えても知らんで～俺」
「ご、ごめん…！」

なんでも笑いに変えてしまうような彼だから、きっとシャオちゃんに大切にしてもらえる女の子は幸せだと思う。

私なんかが、彼と付き合いたいって言うのは、烏滸がましい。
私の気持ちは、ただの友達の延長。
シャオちゃんのことは、友達として好きなだけ。

きっと、…ううん、絶対。