爆豪派閥から (ページ10)

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匂いの話　瀬呂範太ページ10

瀬呂くんはあんまりひっついて一緒になんかしようとか、彼女だからって優遇もしない。

まぁそれも前提条件付き。

2人っきりの時はこっちが恥ずかしくなるくらい甘やかしてくる。

いつもみたいにお部屋に遊びにいくと瀬呂くんは腕を広げて待っててくれるから抱きつくのが普通になってきた。

「今日瀬呂くんから瀬呂くんの匂いがしない」

抱きついたんだけどなんか違う。

なんというかいつものホワイトムスクの匂いがしない。

「なんだよそれ」

ヘラヘラ笑ってるけどこーゆー時は大抵理由がある時。

瀬呂くんの愛情表現はちょっとわかりにくい。

というより、理由を見つけてもらいたくてわざとわかりにくくしてる。

「ほんとにしないんだって」

「んーなんだろうね」

すぐにわかっちゃったら楽しくないでしょっていうのが彼の持論らしい。

そんな楽しさいる？

まぁ楽しいのは楽しいけどさぁ。

してやられた感がすごいというかなんというか。

「百面相しすぎ」

「それは瀬呂くんが悪いんです」

「ほんとにわからない？」

そう言いながらまた近づいてくる。

今までのがいいのに…

「うん。わかんない」