百十五話 ページ34
ピリピリとした空気と、今すぐにでも誰かぶっ飛ばしそうな伊達くんが相まって私の手はびちょびちょだ。
あぁ…こんな時間早く去ってくれ…と濡れた手でスカートを握りしめる。
また、それと同時に黒田くんは地面に正座し、手を着いた
「本当に申し訳なかった!返す言葉もない!」
「一体なぜ家康側に…」
「家康はPBB作戦を早々に見抜いていた。俺は、自分の策を先回りされた。そんな男に…引かれてしまったんだ」
本当に悔いている。そう悔しそうに伝える黒田くんを伊達くんは無表情で見下ろしていた。
「だが今は、家康に対抗する策はPBB作戦をおいて他にはない‼︎…作戦を、再開してはもらえぬだろうか。」
「…っこの通りだ」
そう言って頭を下げた黒田くんの写真を撮影したい気持ちが溢れ出るがどうにか堪え切る。
予め伝えられている作戦内容としてはこのままPBB作戦を再開させれば良いだけ。
「ふぅ…いずれにせよ君には外れてもらう」
「えっ?」
「この先いつ裏切られてもおかしくないからな。君はもう仲間ではない。Aからも離れてもらおう」
『は…?な、なんで私…』
突然呼ばれた名前に驚いて首を傾げると伊達くんはチラリと一瞬だけ私に視線を向けた
「Aは既に許したのかもしれないが、俺は許せない。…あれだけAに信頼されておきながら簡単に裏切る。少なからず、その行動がAの負担になったという事を君には理解してもらわなければならない」
「そう、思われても仕方がない。それだけの事をしたんだ…」
私が巻き込まれるという予想外の事を除いては作戦通りのはず。きっと黒田くんは作戦に参加させられない事も想定済みで…
「お待ちください!それはおかしいです。」
『み、みやびちゃん…⁉︎』
このまま、すんなりと事が進むのを待つだけだったのでは⁉︎
ツカツカと前に出るみやびちゃんに先程とは別の冷や汗をかく
「黒田くんは改心したと言ってるじゃないですか。Aさんもこうして謝る黒田くんを見て許しています!」
「また裏切らない保証はどこにある?」
ここに来て作戦変更⁉︎そんなの聞いてないよ⁉︎と思いつつみやびちゃんの言葉に緩く頷いておく
「もういいんだ日下部。いま最も重要なのはPBB作戦を再開することだ。俺のことなど…」
「しかしそれでは…!」
……き、気付いてしまった、これは黒田くんに罪を被せたくないみやびちゃんと、私に伝えた作戦通りPBB作戦を再開させる黒田くんのどちらも引かない戦いだ…!
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オタくん♀(プロフ) - 完結、、、だと、、、そんなーーー‼︎(T ^ T) (2023年1月2日 23時) (レス) id: 487a14ebf8 (このIDを非表示/違反報告)
凛音 - …ん?お、終わり…だと?嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ (2023年1月2日 22時) (レス) @page44 id: 940717e19b (このIDを非表示/違反報告)
オタくん♀(プロフ) - 何度も見ています!何度見ても面白いし胸がキュンキュンしちゃうぐらい大好きです!更新頑張って下さい!ずっと待ってます!😄 (2022年11月21日 22時) (レス) id: 487a14ebf8 (このIDを非表示/違反報告)
真子ちゃん(プロフ) - 待ってます (2022年11月14日 15時) (レス) id: 955c1a3158 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 何度見ても面白いです😍更新頑張ってください!!待ってます!! (2022年11月9日 23時) (レス) @page44 id: c191c4b3ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:間取り | 作成日時:2022年9月10日 14時