百十話 ページ29
『…わかった、』
まだ諦めきれないが、今は仕方ない…と教室の外へ出ると榊原くん達はホッと息を吐いていた。見えてるぞ
『別に諦めてないからね…』
「っビビった、まだ居たのかよ!」
ドアから少し覗いてそう告げると分かりやすく肩を跳ねさせ、急いで紙を背後に隠していた
みやびちゃんを先頭に階段を登っていると何故か、教室で騒がれていた彼が私たちを見下ろすように腰掛けていた
「よぉ、信長。Aも…何だその顔は」
「あの貼り紙は貴様らの仕業か」
『………え、じゃあ…アレは、やらせ?』
「話が早いな」
な、なんだ良かった…安心してみやびちゃんに寄り掛かるとふふっと優しく笑って背中を撫でてくれた。愛だ…
「なぜ、協力すると決めた?」
「…野心家ってのはさ、負けてる方に手を貸して名声を得たいもんなんだよ」
『だ、だからってあんな事…もうマジでさ…』
いつものように余裕そうに笑う黒田くんにはぁ〜っと大きく息を吐くと3人は楽しそうに笑った
「そうかぁ…そんなに心配してくれたのかA」
「私も流石に榊原くんに飛び掛かるとは思いませんでした」
「やはり大うつけだな、A」
『って、てか、やるなら先に教えてよ!めっちゃ暴れたじゃん』
満更でもないように笑みを深める黒田くんにクスクスと可愛らしく笑うみやびちゃん。知ってるなら連絡してよ…
「そう怒るな、楽しみは後に残しておくものだろう?」
『う、うざすぎ……あ、ていうかあの張り紙、裏切り者は他にもいるって書いてたよね。アレも嘘?』
「いや、アレは残りの裏切り者を炙り出すためのものだ。信長、家康になんて言われた?」
「裏切り者は俺が仕込んだわけじゃない。全員が俺にそれぞれ持ちかけて来たんだ。と」
信長くんの言葉に目を見張る。裏切り者って今川くんだけじゃないの…⁉︎
「つまりは、裏切り者達はグルじゃない。それどころか…自分以外の裏切り者が誰か分かっちゃいない」
『あ、だから黒田くんの名前をピンポイントで…』
「そうだ。「裏切り者が自分以外にも居るなんて〜」って思った奴らは…必ず俺に近付いて来る」
流石は黒田くん。何処までも先読みしている作戦に感嘆の声が漏れてしまう
『確かに凄い作戦だけど…クラスでの黒田くんの立場が…』
「裏切り者を特定できるならそれぐらい安い物だ。それにAは離れないだろう?」
『そ、それは勿論だけど…』
そう答えると黒田くんは嬉しそうに笑っていたが、ふと階段を登る足音が聞こえて来た
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 883人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
オタくん♀(プロフ) - 完結､､､だと､､､そんなーーー‼︎(T ^ T) (2023年1月2日 23時) (
レス) id: 487a14ebf8 (このIDを非表示/違反報告)
凛音 - …ん？お、終わり…だと？嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ (2023年1月2日 22時) (レス) @page44 id: 940717e19b (このIDを非表示/違反報告)
オタくん♀(プロフ) - 何度も見ています！何度見ても面白いし胸がキュンキュンしちゃうぐらい大好きです!更新頑張って下さい！ずっと待ってます！😄 (2022年11月21日 22時) (レス) id: 487a14ebf8 (このIDを非表示/違反報告)
真子ちゃん(プロフ) - 待ってます (2022年11月14日 15時) (レス) id: 955c1a3158 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 何度見ても面白いです😍更新頑張ってください！！待ってます！！ (2022年11月9日 23時) (レス) @page44 id: c191c4b3ae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：間取り | 作成日時：2022年9月10日 14時
