百七話 ページ26
no side
昼休みの美術室、みやびに呼び出された黒田は飾られているクラスメイトの作品をゆっくりと観察していた
そして自身の作品の横に置かれている和倉Aの作品の前で足を止め、少しだけ背中を丸めて周りよりも一回り小さいそれに手を伸ばした
その小さな作品を優しく撫でる黒田の口角は自然とほころんでいたが、すぐに人の気配を感じ、作品から手を離して視線を上げた。
「話とは何だ?」
「話していただけませんか?…家康くんに近付いた訳を」
「家康に近付いた訳…」
みやびの言葉に黒田は小さく首を傾げた
「黒田くん、あなたの狙いは一体何なのですか?そこには必ず訳があるはずです」
「…ん?俺のこと知ったような口ぶりだな」
「っ、知ってます。」
黒田の言い方にみやびも少し食い気味に返答してしまった。これがAの言う"小癪"か…とみやびは心の中で頷いた。
そんなみやびを見て、黒田は薄ら笑いで「例えば?」と聞いた
「Aさんに対してのように…女性に一途です。」
みやびの発言が想像を超えていた物だったからなのか、はたまた本当の事を言われてか…もしくは両者か。
黒田に吹いていた涼し気な風が消え去ったかのように顔を赤くして動揺していた
「な、なんでAが出てくるんだ」
「なんでって…黒田くんの顔を見ていれば分かります!」
「…は、はぁ?じゃあ他には?」
「頭脳明晰過ぎて人に疎まれがち。大人しそうに見えて実は野心家。」
的中している言葉に黒田は先ほどよりも分かりやすく動揺し、それを誤魔化すように鼻で笑った
「フッ…野心家ね。日下部、お前の言う通り俺は家康に近付いた。野心家ってのは常にクールじゃなきゃいけない。
自分にも、相手にも。客観的な目を持つ。」
ゆっくりと歩き、両隣に並ぶ信長と家康の作品を見下ろす
「俺はトップの器ではない。だが、右腕としてなら策は施せる。…俺は探しているのだ。自分の才を注ぐべき器はどれか。言い換えれば自分の利となる器はどれか…」
「それが…信長くんと家康くん?」
「圧倒的な力を持つ家康。和を重んじる信長。まぁ、ヤツはそれが何か分かっちゃいないようだが。」
形は綺麗だがパックリと半分に割れている家康の器と形の崩れた信長の器。黒田は信長の作品を見て呆れたように笑った
「器としては崩れた状態だ。ただ、器は公平に見たい」
「だから信長くんには策を与え、家康くんには情報を与えた…」
脳裏によぎった二つの出来事にみやびはどこか納得した
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オタくん♀(プロフ) - 完結､､､だと､､､そんなーーー‼︎(T ^ T) (2023年1月2日 23時) (
レス) id: 487a14ebf8 (このIDを非表示/違反報告)
凛音 - …ん？お、終わり…だと？嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ (2023年1月2日 22時) (レス) @page44 id: 940717e19b (このIDを非表示/違反報告)
オタくん♀(プロフ) - 何度も見ています！何度見ても面白いし胸がキュンキュンしちゃうぐらい大好きです!更新頑張って下さい！ずっと待ってます！😄 (2022年11月21日 22時) (レス) id: 487a14ebf8 (このIDを非表示/違反報告)
真子ちゃん(プロフ) - 待ってます (2022年11月14日 15時) (レス) id: 955c1a3158 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 何度見ても面白いです😍更新頑張ってください！！待ってます！！ (2022年11月9日 23時) (レス) @page44 id: c191c4b3ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：間取り | 作成日時：2022年9月10日 14時
