どうしようもなく君が好き【新・信長公記】

間話:同盟の持ちかけ ページ44

これは加藤清正の掲げた旗印戦が始まる数分前、豊臣秀吉はとある人間に同盟を持ちかけていた


「同盟?」
「あぁ。お前が俺を助けるって事。」
「ハッ…気乗りしないな」

目の前に座る伊達政宗に協力を申し出る秀吉だったが彼の返答は否定的なものだった

「大体、貴様と組んだところで私には何のメリットもない」
「…あるで。俺と組めば、総長の座に一歩近付く」
「どういう事だ?」

迷いのない真っ直ぐな秀吉の言葉に否定的だった伊達も興味を持ち、秀吉の話に耳を貸す気になったようだ

「旗印戦はトーナメントとちゃう。最後により多くのポイントを持ってたヤツが総長になれる…」


予想通りの流れに秀吉は笑みを深め、媚を売るように伊達の横に腰をかけてスムーズに彼の肩を揉み始めた

「つまり!総長になる近道は、いかにポイントを持ってたヤツを倒すかや。…俺が獲得したポイントをやるわ。だから俺と組め」
「…なぜ私なんだ?」

肩を揉む秀吉の手を止めるように伊達は片手を上げた

「他の連中はどう思ってるか知らんけど、俺…Aちゃんから話を聞いてお前のコスプレのファンになって、いっつも楽しみにしてんねん」
「Aが…」
「そ、お前の事を話してるAちゃん、ほんま妬けるくらい笑顔で楽しそうやねん」
「笑顔で、楽しそうに…」


実際はツボに入りヒィヒィ言っているだけだったが伊達は秀吉の言葉を疑う事はしなかった。
口角を上げて満更でもない伊達に畳み掛けるように続けた

「それだけちゃうで、お前を総長の器と見込んで言ってんねん。そうなったら俺はナンバーツーで、Aちゃんもメロメロや」
「メロメロに…」

"誰に"Aがメロメロになるのか。秀吉はうやむやに伝えたが目を閉じて頷く伊達は自分と信じてやまなかった

「伊達、俺が1番見たいコスプレは…総長の甲冑姿や」
「…面白い」

最後の言葉に伊達は目を見開いて秀吉との同盟を結んだ






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ドラマ2話までなんとか追いつけました…頑張った。

3話、4話と書きたい場面だけは既に鮮明に頭に思い描かれております。更に続編までの話埋めに間話(番外編)を更新しますのでそれもお楽しみください。

評価、ランキング、お気に入り登録等ありがとうございます。
秀吉くんの旗印戦の場面は手があまり進まなかったんですが、皆様の温かいコメントのおかげでなんとか仕上がりました。これからも応援よろしくお願いします!

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