三十七話 ページ38
そう残して加藤くんはホールへ向かっていった。
『加藤くんの生き方…かっこよかったくさね』
「だから使い方違うって言われたろ。それ」
呆れた様に私を見る井伊くんに少しムッとする。上杉くんや明智くん等の優しい人に呆れられると反省するが井伊くんはムカつく。何故なんだ。
井伊くんの銀髪を見ながら考えていると不意に声を掛けられた
「Aさんも一緒に行きましょう」
『へっ』
みやびちゃんに声を掛けられたのは驚いたが彼女のお願いと言うなら断れない。迷う事なく二つ返事をして織田くんの後ろを2人で着いて行った
ホールを見下ろせる廊下に着いた頃には既に一触即発の空気だった。
「時間がなか、とっととやるくさ」
「貴様の美意識はカッコいいが、それじゃあ勝てん。」
「ごちゃごちゃうるさいくさ。本当は俺にビビっとっとじゃなかとね?」
「あ?」
「あんたたちは全員手負い。そいで本当に俺に勝てると思っとうとか⁉︎」
そう言って加藤くんは姿勢を低くして虎のように力強く構えた。それに感化されたように一般の生徒達は豊臣くんに向かってヤジを飛ばし始めた
なんとも不穏な空気にみやびちゃんと2人でそわそわとしていると、伊達くんが加藤くんに向けて歩き出した
『伊達くんが代わりに…?』
そう思っていたが豊臣くんが絞り出したように「待て」と伊達くんに告げた
「何だ?」
「…俺にやらしてくれ。」
「は?何を言ってる?」
あれだけ喧嘩を避けていた豊臣くんの言葉に辺りの生徒も、勿論毛利くんや前田くんも驚いている
「どう言う事でしょう?」
「見せてみろ、秀吉。」
『あ、あんまり酷くならなかったらいいけど…』
伊達くんと代わって加藤くんの前に立つ豊臣くんに周りもヤジではなく感心の声を漏らした
「本当にいいくさ?」
「あぁ、」
「それじゃ、遠慮なしにやらせてもらうくさ。」
髪の乱れを直すように頭をひと撫でした加藤くんに豊臣くんは声を上げて駆け出した
いつもおしりを叩いてくるおちゃらけた豊臣くんとは違い、今日の彼は何かに勝とうとしている。
得意の頭脳を使わずに真っ直ぐ走り出した豊臣くんを少しの期待を抱いて見つめていたが、加藤くんの素早いパンチをまともに食らって床に倒れ込んでしまった
『あ、あれ?』
予想を裏切られて声が漏れるがそれは豊臣くんと組んだ伊達くん達も同じようだった
「普通に殴られてるじゃないか」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 920人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
間取り(プロフ) - 名無しさん» お優しい御心遣いとても嬉しいです…。こえ様へ連絡させていただき、文章の訂正をして頂けましたので名無し様もご確認いただけたらなと思います。間取りは名無し様の為にこれからも更新を頑張りますのでまた何かあればご報告をお願いいたします☺️🙏 (2022年9月22日 23時) (
レス) id: 35a743c5e2 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 書き上げる→書き上げられる、ですね。誤字、失礼いたしました。シリーズにつきましては是非ご自分のペースで作品の更新をして貰えれば嬉しいと考えています。これからも応援しています。いつも素敵な作品をありがとうございます。 (2022年9月19日 23時) (レス) id: 20a38a5636 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 間取りさん» 勝手ながらご報告することにしました。確かに心配はしましたが、私としては間取りさんがのびのびと素敵な文章を書きあげるように過ごして下されば、それで満足ですので、どうかお気になさらないで下さい。 (2022年9月19日 23時) (レス) id: 20a38a5636 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 間取りさん» ご確認して頂きありがとうございます。間取りさんの｢どうしようもなく君が好き｣シリーズは、しんしんの二次創作の中でとてもお気に入りで、いつも楽しませて貰っている分、間取りさんの知らない所でその素敵な文章が勝手に使われていることに悲しくなってしまったので (2022年9月19日 23時) (レス) id: 20a38a5636 (このIDを非表示/違反報告)
間取り(プロフ) - 名無しさん» ご報告ありがとうございます!今、該当作品を確認させていただいたんですが確かに私の作品と似ている所が多々見受けられたので一度作者さんとお話しさせていただこうかなと思います。せっかく楽しんで読んでいただいているのにご心配かけて大変申し訳ないです…😭 (2022年9月19日 21時) (レス) id: 35a743c5e2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：間取り | 作成日時：2022年8月7日 1時
