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二十一話 ページ22

私の頭を撫でた後、織田くんはいつもの調子で席に戻って行った。それを見て私も席につこうとすると面白くなさそうにコチラを見る黒田くんと目があった

『な、なにその顔』
「…」
『なんか喋ってよ』

ムスッとした顔でこちらを見続ける黒田くんに声をかけているとグイッと肩を引き寄せられた


「黒田の事は放っておけ。それよりもA、怪我は大丈夫か?」
『うぉあ、伊達くん。だ、大丈夫。元気だよ』
「そうか…俺がクラスに戻った時にお前はもう居なかったからな。…心配したぞ」
『マーキュリーだったもんね…フッ、ふふ』

ダメだ。あのキメキメマーキュリーが頭で「ママァ〜」と歌っている
伊達くんに肩を抱かれながら小さく笑っていると席に座っている上杉くんも安心したように話しかけてくれた


「でも良かったよ、Aちゃんが無事で」
『満身創痍だけどね』
「なんで武田よりも怪我してんだよ」
『え、嘘。武田くん無傷じゃん。すご』

武田くんは名前を呼ばれて私の方に視線をやったが特に反応する事なく視線を戻した
がはがはと笑っている強気な武田くんとは違ってなんだかしおらしい。

無傷だけど…この感じは…

『旗印戦、ダメだった感じ…?』
「いや、武田の勝ちだったが…俺たちも何故ああなっとるのかはわからん」

近くにいた前田くんにヒソヒソと小声で聞くと耳元に屈んで返してくれる。ううむ、おセンチな気分なのか…

深く聞くのも悪いだろうし遠くから眺めるだけにしておこう。そう思い席に着くと今度は隣に座るみやびちゃんが話しかけてくれた

「Aさんお話は聞いておりましたが…敵討ちって、」
『みやびちゃん、それを聞くのは野暮ってやつだよ』

キマった…大丈夫、みやびちゃんは何も気にしなくて良いんだよ。と全てわかってると言わんばかりにカッコつけてみたがはてなを沢山飛ばすみやびちゃん。
あ、本当に気付いてないなコレ

「フッ、1ミリも伝わってないみたいだな」
『マジで黒田くん小癪すぎ』

やっと口を開いたかと思えばそれだもんなキミ。
あ、えっと…とオロオロしているみやびちゃんに本当の事を話すと可愛い目を大きく見開いた

「わっ、私の為に敵討ち…とな⁉︎」
『そう。愛だね』
「そ、そんな事の為にAさんがこんな怪我を負ってたら意味がありません‼︎」
『う〜ん愛だ。』
「真面目に言っているのです‼︎お聞きください‼︎」



その後ずっとプリプリと怒るみやびちゃんは可愛かった

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間取り(プロフ) - 名無しさん» お優しい御心遣いとても嬉しいです…。こえ様へ連絡させていただき、文章の訂正をして頂けましたので名無し様もご確認いただけたらなと思います。間取りは名無し様の為にこれからも更新を頑張りますのでまた何かあればご報告をお願いいたします☺️🙏 (2022年9月22日 23時) (レス) id: 35a743c5e2 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 書き上げる→書き上げられる、ですね。誤字、失礼いたしました。シリーズにつきましては是非ご自分のペースで作品の更新をして貰えれば嬉しいと考えています。これからも応援しています。いつも素敵な作品をありがとうございます。 (2022年9月19日 23時) (レス) id: 20a38a5636 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 間取りさん» 勝手ながらご報告することにしました。確かに心配はしましたが、私としては間取りさんがのびのびと素敵な文章を書きあげるように過ごして下されば、それで満足ですので、どうかお気になさらないで下さい。 (2022年9月19日 23時) (レス) id: 20a38a5636 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 間取りさん» ご確認して頂きありがとうございます。間取りさんの「どうしようもなく君が好き」シリーズは、しんしんの二次創作の中でとてもお気に入りで、いつも楽しませて貰っている分、間取りさんの知らない所でその素敵な文章が勝手に使われていることに悲しくなってしまったので (2022年9月19日 23時) (レス) id: 20a38a5636 (このIDを非表示/違反報告)
間取り(プロフ) - 名無しさん» ご報告ありがとうございます!今、該当作品を確認させていただいたんですが確かに私の作品と似ている所が多々見受けられたので一度作者さんとお話しさせていただこうかなと思います。せっかく楽しんで読んでいただいているのにご心配かけて大変申し訳ないです…😭 (2022年9月19日 21時) (レス) id: 35a743c5e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:間取り | 作成日時:2022年8月7日 1時

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