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十二話 ページ13

「おい和倉いるか」
『へっ、はい!』
「はは、昨日の続きなんじゃないのか」
『ちょ、やめてよ』

前に立った肉山先生から名前を呼ばれて勢いよく手を上げると横の黒田くんに揶揄われる
他のクラスメイトも昨日のことがあったからなのか面白そうに眺めてくる

中々喋らない先生を不思議に思い、急いで頭を手で隠すと周りから小さく笑い声が聞こえた
伊達くん見えてるからな。

「あー、和倉。お前副学級委員な」
『えっ⁉︎なんで‼︎』
「独断だ。学級委員は日下部に決定してる」
『ど、独断て…』
「仲良いから良いだろ、就任の挨拶は日下部が行ってるから、行きてぇなら行け」
『きょ、拒否権は…』

もう断れる空気ではないが勇気を出して声を出すと肉山先生は黙ってタブレットを振り上げた

『喜んで‼︎副委員長最高!』
「じゃあHRまで大人しくしとけよ」

体罰だろあれ。
肉山先生が出て行ったのを確認して机に倒れ込むと黒田くんは更に楽しそうに笑っていた


「いいじゃないか副委員長、最高なんだろう?」
『マジで黒田くん嫌い』
「まぁまぁ、副委員長なんて名前だけの役職。この学校じゃあ仕事もそうないはずさ」

上杉くんが前から優しい手つきで頭を撫でながらフォローしてくれるが気分は項垂れたままだ

「ふっ、A。昨日に続き災難だな」
『伊達くんが笑ってたの丸見えだったからね』
「まるで肉山の飼い犬みたいだったな」
『だとしたら虐待でしょアレ』

ハハハと隠すことなく豪快に笑うクラスメイト達にとって私は良いエンタメだろう

止まらない笑い声にムッとして勢いよく席を立つとクラス中の視線が刺さった

「なんだ飼い犬の反撃か?」
『みやびちゃんのところに行くだけです〜!』
「一緒に行くか?」
『1人で行くからいい』

伊達くんが同行を申し出てくれたが断って教室を出た




クラスside

Aが教室を出た後、黒田は机に肘をついて楽しそうにドアを見ていた

「黒田がいじめるから拗ねちゃったじゃないか」
「酷いな、俺だけじゃないだろ」

そう言って黒田は教室をぐるりと見渡した
名だたるヤンキー達が揃いも揃って気不味そうな顔をしている。大方、嫌われたんじゃないか…不快にさせてしまったのでは?とか思っているんだろう。


「果たして迷わず理事長室に行けるか…」
「100%帰ってくるだろうな」
「Aならありえる…」

伊達の心配を他所に黒田は顔色変えずドアを眺めると扉がガラガラと開いた


『理事長室ってどこ…』
「ははは、やっぱりな」

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間取り(プロフ) - 名無しさん» お優しい御心遣いとても嬉しいです…。こえ様へ連絡させていただき、文章の訂正をして頂けましたので名無し様もご確認いただけたらなと思います。間取りは名無し様の為にこれからも更新を頑張りますのでまた何かあればご報告をお願いいたします☺️🙏 (2022年9月22日 23時) (レス) id: 35a743c5e2 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 書き上げる→書き上げられる、ですね。誤字、失礼いたしました。シリーズにつきましては是非ご自分のペースで作品の更新をして貰えれば嬉しいと考えています。これからも応援しています。いつも素敵な作品をありがとうございます。 (2022年9月19日 23時) (レス) id: 20a38a5636 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 間取りさん» 勝手ながらご報告することにしました。確かに心配はしましたが、私としては間取りさんがのびのびと素敵な文章を書きあげるように過ごして下されば、それで満足ですので、どうかお気になさらないで下さい。 (2022年9月19日 23時) (レス) id: 20a38a5636 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 間取りさん» ご確認して頂きありがとうございます。間取りさんの「どうしようもなく君が好き」シリーズは、しんしんの二次創作の中でとてもお気に入りで、いつも楽しませて貰っている分、間取りさんの知らない所でその素敵な文章が勝手に使われていることに悲しくなってしまったので (2022年9月19日 23時) (レス) id: 20a38a5636 (このIDを非表示/違反報告)
間取り(プロフ) - 名無しさん» ご報告ありがとうございます!今、該当作品を確認させていただいたんですが確かに私の作品と似ている所が多々見受けられたので一度作者さんとお話しさせていただこうかなと思います。せっかく楽しんで読んでいただいているのにご心配かけて大変申し訳ないです…😭 (2022年9月19日 21時) (レス) id: 35a743c5e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:間取り | 作成日時:2022年8月7日 1時

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