どうしようもなく君が好き【新・信長公記】

十五話 ページ16

「旗印戦は、勝てば相手が持つポイントを獲得できる。もし武田が勝てば一挙に205ポイントを獲得。つまり…」
「つまり!武田が勝てば一気に総長に近付く‼︎」


1番良いところを豊臣くんに取られて微妙な顔をする黒田くんにプププと笑ってしまう


「それだけじゃない。旗印戦は旗印を掲げた側が負けた場合、旗印戦の参加資格は奪われる。」
「でも、挑戦される側が負けても獲得したポイントは減らずにそのままです」
「つまり、」
「つまり‼︎武田は負けても失うもんがない‼︎」
「っあのさぁ‼︎秀吉くんなんなのかなさっきから、自分で喋れば良いじゃん?じゃあ」

『っ黒田くん…ははっ、ウケる』


豊臣くんにセリフを奪われる黒田くんが立ち上がって説教しようとするが井伊くん達に邪魔だと怒られる
日頃の飄々としている黒田くんとは違い正直めちゃくちゃ面白い。ケラケラと笑っている横で上杉くんが真面目に話し出して笑いを少しだけ我慢するが突如出てきた伊達くんに全て壊された

「作戦を練るためだ。」
『んっはは、伊達くん、ひっ、はは…』
「さっきから誰なんだよ‼︎Aも‼︎笑いすぎだろ‼︎」
「気付くの遅くないか!…フレディマーキュリーだ。」


普段キメキメの伊達くんとは思えないコスプレに驚いたがそれよりも笑いが出てしまう


「…A、笑いすぎじゃないか?」
『あはは、だって伊達くん超似合ってる、っはは』
「ふっ、まぁな…私とフレディは9月5日…同じ誕生日だ。国を超えた誕生日を…覚えてくれっ」


最後の言葉と共に無理な体制を取ろうとする伊達くんだが格好は変でも顔がカッコいいのでなんだか様になっている

プルプルと震えながらポーズを取っていた伊達くんだが井伊くん達に邪魔だとあしらわれた

「A、俺のコスプレファンのお前にプレゼントをやろう。」

別にコスプレファンになった覚えはないが様になっている彼のコスプレは好きだから否定しないでおこう。
未だ邪魔だとヤジが飛んでくる中、伊達くんはコスプレの為に付けた胸毛をむしり取って渡してきた

「プレミアだ」

そう言って彼は着替える為に教室を出て行った。
手の上に置かれた付け胸毛。伊達くんほどの色男ならどっか裏商売に出したら高く売れそうだが…と胸毛を観察していると横からサッサッと落とされた


「汚いから、捨てておこう。」
「放課後には無くなってるはずだ」


上杉くんと黒田くんがひどく冷たい目で床に落ちた胸毛を見ていた。

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