#3 ページ5
理鶯side
とにかく体温の低い少年を小官の上着で包み
急ぎ足でキャンプ場へ戻る
少し進むと小さな灯りが見えた
小官がおこした火だ
少年を焚き火の側にそっとおろし
火に薪を加える
___夜は寒いからな
それから鍋を用意し火にかける
先ほど獲ってきたネズミを綺麗にさばき
よく炒めて水を入れ
ネズミのスープを作る
__うむ、味は大丈夫そうだ
ムク…
理鶯「…、！起きたか、少年…」
「…」
ゆっくり起き上がった少年は
とても痩せていて
そして、綺麗な紅い色の瞳をしていた
少年は警戒している様子もなく、キョロキョロと辺りを見回た
小官に気づくと、コテンと首を横に倒した
表情はピクリとも動かない
理鶯「小官は森で倒れていた貴殿を保護した。腹が減っているだろう。今、スープを作っているところだ。もう少し待っていてくれ。」
少年の瞳は揺れることなく小官を見つめている
光のない、暗い目をしていた
小官はスープを小さめの皿に少し分け、
スプーンと共に少年に渡す
少年は静かにスープを受け取り膝の上に置く
それと同時に少年の腹が鳴った
理鶯「たらふく食べるといい。空腹は身体に毒だからな」
「…！」
すると、少年は顔の前で手を合わせ
スプーンを取り、スープを口に運んだ
「…ッ！！」
先ほどまで光のなかった瞳をキラキラと輝かし
ガツガツと食べる少年
理鶯「美味しいか？」
「…！(コクコク」
少年は勢いよく首を縦にふる
理鶯「…っ！そうか…！！しかし、そんなに焦って食べなくても食べ物は逃げないから大丈夫だ」
「…(コクン」
こんなに笑顔で美味しそうに食べてくれるとは…
まるで有栖川のような少年だ
だが、この少年は何故か一言も喋らなかった…
ーーーーーーーーー
帝統の表記を有栖川に変えました
理鶯には帝統って呼んでほしかったなぁ…((
2019/12/29
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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小麦粉(プロフ) - 受験合格おめでとうございます！！！ (2021年4月3日 17時) (
レス) id: 37364bd2c1 (このIDを非表示/違反報告)
めひ - 受験生だったのですね！私ももうすぐ受験なので大変なのは凄く分かります…ゆっくりでも全然待ってますので頑張ってください!! (2021年1月24日 2時) (レス) id: 0f3cd23380 (このIDを非表示/違反報告)
グラン(プロフ) - ゆんさん» コメントありがとうございますっ！そう言っていただけるととっても嬉しいです！ (2020年10月10日 21時) (レス) id: fd010d5c17 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - はーーーー！尊い…めっちゃ好きですこの小説！！神小説をありがとうございます…！これからも楽しみにしています！！ (2020年10月10日 20時) (レス) id: 1e6d6074b4 (このIDを非表示/違反報告)
グラン(プロフ) - ホワイトさん» わわ！本当ですねっ コメントありがとうございます！ (2020年10月2日 17時) (レス) id: fd010d5c17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：グラン | 作成日時：2019年7月19日 14時
