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有岡「もー、泣くなって」
面倒な女だという言い方。
泣きながら、小さな聞き取り辛い声で伝えた。
どうしても言っておきたかったから。
A「もし私だったら、これ、洗って返す」
ハーフパンツとTシャツを持ち上げた。
A「ベッドだって、ちゃんと整える。
キッチンを汚したら掃除するし、
彼女が不在中にお邪魔してて、申し訳ないって思う」
有岡「俺がそのままでいいって言ったんだって」
A「さっき、私が雑用係だって言った時も否定しなかったけど。
自分がそのままでいいって言ったんなら、片付けくらい自分でやってよ。
なんで私がやらされてんのよ。
私は、明日も仕事なの、分かってるよね？」
つい、語尾が強くなった。
そこに力を入れないと、言いたい事を言い終えないくらいだったから。
有岡「そりゃーAは、責任のある仕事で？
先生、先生って呼ばれて、偉いんだよな！
もういい、あと俺やるから、部屋戻れよ！」
A「ひどい……
そんな風に思ってたんだ。
大貴がLINEで遊ぶ約束してる間に、ほぼ終わったから！」
ギーって睨んだのに、目をそらした。
A「自分は嘘ついて誰かを守って。
私の事は注意するなんて、最低！！」
掴んでた大切なハーフパンツとTシャツ。
私の枕カバーとタオルケットを抱え込み、走って大貴の家から出た。
タオルケットに顔をうずめて涙を拭いたけど、あの女の匂いがした気がして、慌てて顔を離した。
部屋に戻って、顔をバシャバシャと洗い、
洗濯機に、今持ってきたものをすべて突っ込んで。
あの女の匂いを消したくて、柔軟剤をいつもより多く入れスイッチを押した。
悔しい……
私が何をしたって言うの。
大貴の事好きで。
だから嘘ついたんじゃん。
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大嫌い。
過去に傷つけられた時と同じで。
私じゃない、誰かを守っている。
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最近の抱かれ方も、最低で。
私の事なんて、道具くらいにしか思ってない。
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大貴……そういえば、友達出来たんだ。
最低な友達だけど。
友達がいないって言ってた高校時代、自分がいけないんじゃんって思ってた。
私には大貴に紹介されなくたって、友達はいる。
遠く離れてても、大切な友達が沢山いる。
今日は男バスの集まりの日。
涙を拭いてから、愛美に電話をかけてみた。
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2020年3月16日 19時
