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どうしたの、ちゃんとそんな事伝えてきて。
最近は、いただきますもごちそうさまも言ってなかったよ。
保育園児よりひどかったのに。
最後に、ちゃんとした姿を見せようとしてるの？
面倒なので「OK」というスタンプを送って終わりにした。
と思ったのに、その返信がきた。
有岡『最後に、夕飯でも一緒に食べられないかな？』
A『土曜は仕事で、日曜は引越の準備。
来週の土曜は引越で、日曜はもういない。
だから、無理』
完璧に断れた。
それなのに、少し時間が経ってから、着信があった。
有岡『もう嫌われてるから言っちゃうけど、裕太くんとお別れのデートしてたよね。
俺もしたい』
そういうとこが、嫌……
A『有岡と裕太くんは違うから
ごめん。
ホント、忙しい』
一緒にいた時間、思い出の種類と量、何もかも違う。
次に何か言われても、無視する事にした。
スマホの新しいケースで画面を見えなくして音も消し、引越の作業の続きを始めた。
次にスマホをのぞいたのは、引越の事をして、お風呂から出た後。
あれから四時間はたった、23時頃。
恐る恐る画面に触れると、一つメッセージを受信していた。
やっぱり有岡で、仕方なくチェックする事にした。
有岡『分かった。
ごめん』
よかった……
ホッとした気持ちと、少し寂しい気持ちもあった。
本当に最後になるんなら、話す事がもっとあるのかもと思うから。
でもね、ずるずるした気持ちはお互いによくないし、これでいいんだと思う事にした。
それから、土曜日まで仕事をして、日曜日はダンボールに本格的に荷物を詰めていった。
引越して半年の部屋だから、いらないものが大量に出る事もなく、まあまあ順調に片付いていった。
15時くらいに一段落して、新居のカーテンを買いに行きたいのと、リサイクルショップに出したいものがあって、車で出掛ける事にした。
車の運転は、初めて行く場所に緊張したけど。
いつものスーパーの買い物もして、無事に戻って来た。
車…あるんだな。
隣りにとめられている有岡の車。
この車での思い出も、少しあったな……
高校に入る前に約束してた事を覚えてくれてのは、嬉しかったなって。
でも、最後に助手席に乗ったのは私じゃないから、複雑な気持ちで。
助手席を取られたんだと思うと、フったのにフラれた気分になって、胸がギューッて痛くなった。
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2020年3月16日 19時
