18 ページ18
・
A「私が答えを出しちゃったけど、結局、フラれたのは私じゃない？
捨てられたの、私だよ、どう考えても」
有岡「なんで笑ってそんな事言ってんだよ」
A「ん？もう責められたりしなくなるの、嬉しい」
有岡「そんな、責めたりなんて……」
そこまで言いかけたけど、思い出したみたいで黙ってしまった。
今回の枕の件、嘘ついたって責められたのもそうだけど、裕太くんの事もそう。
A「私の事信じてくれなくて、責めたよね、いっぱい」
有岡「じゃあ、あれは？
おばさんに同棲したいって言ったやつ。
あれ、本気じゃなかったの？」
A「多分、大貴と別れたって言ったら、お母さんもおばさんも安心するから大丈夫。
あれね、勢いで言っちゃったじゃん。
今考えると、こうやって宣言しちゃった方が、「いつ言ってくれるんだよ」とかってうだうだ言われないかなって思ってたのかも。
面倒じゃん、そんな風に言われ続けるの」
有岡「面倒って……
いや、これからはちゃんとする！
アヤちゃんとも会わない！
だから、そんな事言うなって。
俺、本当にAの事好きなんだよ。
わざわざこっちに来たの、分かるだろ？」
A「アヤちゃんと会わないとかは無理じゃん」
有岡「会社辞めたら、会わないで済むじゃん」
A「何？会社辞めちゃうの？」
有岡「Aを失うくらいなら、辞めてもいい」
A「無職の人とは付き合えないなぁ」
有岡「なぁ！！！」
A「ん？大きな声、出さないでよ」
有岡「ホント、許して。
もう、だらしない事しないから。
俺、Aがいなかったら……」
A「私がいなかったら何？
この二日間、連絡くれなくても平気だったじゃん。
ひと言連絡欲しかったのに」
有岡「あれだな、あいつは、ちゃんと連絡してきてたな」
A「覚えてるんだ……
そうだね、そういうとこは、私の性格に合ってたよ。
って、裕太くんの話しはいいんだって。
あ、そうだ！
月末、函館へ旅行の予約してたじゃない」
有岡「……うん」
A「キャンセルしとくね」
有岡「えっ……」
A「あ、もしかして彼女と行く？
大貴の名前で予約してるし、大きなベッド一つの部屋だから、いいんじゃない？」
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 276人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：やまぱん
| 作成日時：2020年3月16日 19時
