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Daiki side
有岡「うわー、辛くなくていいね、美味い!」
A「私、辛いの苦手だから、外で食べられなくてね。
だから、辛さが調節できるし自分で作るの」
有岡「俺も、辛いの苦手。
一緒だね、よかった」
浅漬けのキャベツとキュウリ、お味噌汁、
今年、初モノだってスーパーで喜んでた、そら豆。
俺が転勤してきてすぐ、たしか伊野尾さんだったと思うけどAちゃんは、家庭に入った方が幸せだって言ってたのが、ちょくちょくわかる事があって。
料理だけじゃないけどね。
俺、Aちゃんを幸せに出来るかな…そんな事も考えてた。
A「やっぱり、土鍋のご飯、美味しかったね。
明日、土鍋と大ちゃんのお茶碗、買いに行こうかな」
有岡「俺も行く!」
キュウリを箸で口に運びながら、ふふって笑われちゃった。
有岡「ごちそうさまでした。
美味しかったです!」
A「ご粗末様でした。
お風呂・・・・作ってくるね」
お昼が遅かったのもあるけど、もう十時を過ぎていた。
このお風呂タイム以降が、ちょっと色々ドキドキ、ザワザワする時間で。
男の欲望が抑えられるか、自分との勝負なんだよな。
抑えられなかったら、仕方ないんだけど・・・・ね。
・
有岡「お先でした!
ねえ、今日の入浴剤、何の香り?」
A「あれ?えっと、ピーチ…かな?」
(有岡)「ふーーん、そっ」
やっぱり緊張してきたので、どうでもいいような質問しちゃった。
だってさ、昨日の今頃は、まだ告白してないんだからね。
まだ、恋人ごっこが始まって、一日たってないんだからさ。
Aちゃんがシャワーを浴びる音がして。
今度は、ピチャンッて湯船につかってる音がして。
ふと、リュックのポケット部分にしまった、
高木さんに貰った、小さな袋を手に持って確認して、そして、またしまった。
使いたいような、いや、まだ使うべきではない・・・・って両方の思いがあって。
眉間に寄ったシワをのばして、笑顔を作って、Aちゃんが出てくるのを、待ってないふりをして、待っていた。
・
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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年1月6日 20時