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母「Aさんのとこに、泊めてもらってるのかしら。
ご迷惑おかけして、ごめんなさいね」
A「いえ・・・・」
お母さんは、私くらいの身長で、小さくて。
大ちゃんのクリクリした目は、お母さんそっくりで、だから、お母さん、可愛い感じの素敵な人だった。
母「大貴の彼女じゃないのね、残念。
いつだったか、週末、部屋から全然出てこない日があったけど、
女の子の事で、なんかあった感じだったのよね。
『フラれたの?』って聞いたら『うるせー』ってクッション投げてきてね。
ほら、顔に出やすいタイプでしょ、わかりやすいから。
あれも、Aさんとの事だったのかな?
これからも、仲良くしてあげてね」
A「あ、はい…」
二階からトントントンとかけおりてきて、
有岡「なんか、余計な事、話してなかった?」
母「別に、何も!」
ちょっとふざけた感じで、明るく答えるお母さん。
きっと、親子仲もいいんだろうなってわかる感じだった。
大ちゃんは、ちょっと膨らんだリュックを叩きながら
有岡「着替え、詰めてきた」
と言い、スニーカーを履きだした。
母「大貴、女の子を大切にするのよ!」
有岡「してるって!」
ちょっと面倒臭そうに答えてて。
母「責任取れる行動をするのよ!」
有岡「わかってるって!」
二回目の注意で、何の事を言ってるのかがわかって、ちょっと恥ずかしかった。
まだまだ、私達はそんな仲じゃないんだけど。
大人な私達は、まあ、時間の問題なんだろうなって思う事あるから。
有岡「いってきまーす!」
母「Aさん、彼女になったら、また遊びに来てねー」
A「あっ、はい。
お邪魔しました…」
ペコリと頭を下げ、大ちゃんが扉を閉めた。
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有岡「どうだった?大丈夫だったでしょ?」
そう言って、また私の手を握った。
A「めちゃくちゃ緊張したけど、お母さんにお会いできてよかったかも。
大ちゃんの事、ずいぶん知れた気がしちゃった」
お仕事の日は、あの玄関から出てくるんだなとか、
自分の部屋は二階にあって、洋服も自分の部屋で管理してるんだなとか。
「こんにちは…」・・・・ご近所の方に挨拶する大ちゃんも見れて、
みんなに、愛されて大切にされてるのがわかって、心が温かくなった。
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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年1月6日 20時