5 ちょっと早い誕生会 ページ5
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有岡の服のセンスが好きだから、ネクタイも有岡の趣味に任せた。
プレゼント用に包装してもらい、私が受け取った。
お店の入口まで見送られるのは、全国共通なんだね。
メンズフロアをブラブラして、たまに立ち止まって触り心地を確認してる。
A「どお?
欲しい服ある?」
有岡「お気に入りの店探さねえとな」
A「そうだね」
ちょっと寂しそうな顔をしてた。
やっぱり今までとは違うよね。
A「レディース見てもいい?」
有岡「うん、いいよ」
着かず離れずの距離で移動をする。
それでもカップルには見えるんだろうな。
イチャイチャベタベタしたカップルの脇を通る時は、私は見ないようにしている。
逆に有岡はジロジロ見てて。
唇をとがらせている。
フロアを移動し、真っ先に目に入ってきたものは春色のワンピース。
A「わー、可愛い!」
有岡「ふふっ」
A「イエロー、派手だよね」
有岡「え?別にいいんじゃねえの?」
A「んー、じゃあベージュ」
有岡「そっちの方が落ち着いてるよな」
A「あ、じゃあこっちは?ブルー」
有岡「それもいいんじゃん」
A「で、どれが一番いい?」
有岡「え?どれも似合うよ」
A「どーでもいい感じ」
有岡「いや、最初にとったイエローが気になってるんじゃねえの?」
A「やっぱ、そうなるよね。
まあいいや!行こ!」
有岡「えっ、買わねえのかよ」
A「そんな簡単に洋服買えないよ。
それもデパートの服なんて」
有岡「んー、そっか」
A「自分のお給料で、どんなペースでやっていけば生活出来るのか分からないから、今は無理だな」
有岡「まあ、そうだよな。
デパートでネクタイ買ってもらっちゃって、申し訳ない」
A「これは特別だからいいの!
お腹空いたー。
今日は、また調べてきたとこでランチしよ!」
有岡「うん」
きっと、付き合いたての彼氏にはこんな事言えない。
幼馴染じゃなかったら、お兄ちゃんみたいに思う事がある。
ちょっと頼りないんだけど、いざという時はちゃんと助けてくれる、そんなお兄ちゃん。
少し見慣れてきた、助手席からの景色も。
私だけのものだという特別感。
まだなんだか、くすぐったい。
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作者名:やまぱん | 作成日時:2019年6月20日 23時