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A「そういう事らしいから。
よく考えたら、裕太くんは有岡と全然違うんだった。
あの時は、一週間ずっと悩んでたから、有岡のいう事が本当のように思えちゃって。
あとで、裕太くんに連絡しようと思ってる」
有岡「なんも言えねえのも、問題だろ。
別れたかったんだろ、向こうだって」
A「まだ傷は癒えてないんだから、そういう言い方やめてよ」
有岡「まだって、もう三ヵ月になるだろ」
A「三ヵ月って言えば、女断ち三ヵ月とか言ってたけど、二週間でダメだったね」
ベランダで女の子とタバコ吸ってたの見た。
二人で煙で遊びながら。
薄着の女の子と。
キャッキャと楽しそうな声がしたから、右側をのぞいてしまったんだ。
有岡「色々あるんだって。
仕方ねえだろ」
A「なんの賭けだったかも忘れちゃったから、いいんだけど。
それからも、しょっちゅう色んな女の子いたしね。
バイトかえても、あんま意味ないね。
私には関係ないからいいか」
有岡「あいつの連絡先は残してるんだ」
A「うん……やっぱり忘れられないし」
有岡「俺にも、連絡先教えて欲しい。
じゃなければ、俺の連絡先渡したい」
A「別に、いい。
前に話したの、裕太くんとお別れした日だし、特に用事ない」
有岡「どうしても北海道行くの？」
おばさん経由で、だいぶ前から知ってたよね。
A「うん…」
有岡「そっか……」
A「もういい？
仕事戻った方がいいよ。
チャラチャラした仕事、大変でしょ？」
有岡「いやみか……」
A「有岡と関わると、あんまいい事ない」
有岡「ごめん……
裕太くんとの事、ややこしくしちゃって申し訳ない。
それを言いたかっただけ。
戻るわ……」
真ん丸な目が、少しだけ悲しそうだった。
本当に申し訳ないって思ってるっぽい。
なぜか有岡には冷たくしちゃって。
あの日、私の辛さを支えてくれたのは、紛れもなく有岡だったのに。
ぐっと口元を引き締めた。
駐輪場で自転車を取り、いつもよりスピードをあげ、家に向かう。
A「ただいま」
母「お帰り
大丈夫だった？」
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2019年5月12日 17時
