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玉森母「遠距離は？」
A「んー、もしハワイの件がなかったら、ありえたかもしれないけど。
ハワイの件がなかったら、多分、実家から職場探してたと思うし。
色んな事合わせても、遠距離はないかも。
出来たら、ずっとそばにいたいかなって」
玉森母「ハワイの件は消えないよね。
やっぱりダメなのね。
残念……」
A「すみません。
でも、私にとってのこの四年間は、絶対忘れないと思います。
きっと、サーフィンやってる人見かけたら、裕太くんを思い出すし探しちゃうかもしれない。
少し時間をおいて、また友達になれたらいいけど……」
玉森母「まあ、難しいわよね。
分かった、もう大丈夫。
裕太の事、ちゃんと伝えられたし、私の気持ちも伝えられたから、それで十分。
ごめんね、忙しいのに呼び止めて」
A「いえ、ちゃんと本当の事聞けてよかったです。
あの時、言って欲しかったけど、裕太くんの性格考えたら、仕方ないですね。
裕太くんに、よろしくお伝えください」
玉森母「うん、Aちゃんも北海道で頑張ってね。
素敵な保育士さんになれますように、本当に応援してるからね！」
A「はい、ありがとうございます。
頑張ります」
ちゃんと笑顔が出た。
良かった。
お母さんにご馳走になり、店を出た。
そして、再び挨拶をして、そこで別れた。
・
裕太くん……
狭い空を見上げた。
これで良かったのかなんて、分からないけど。
やっぱり旅行の件はダメだし……
会って話がしたいって思う気持ちを、グッと抑えた。
「A！！」
私の事を呼ぶ声。
私を呼び捨てで呼ぶ男子は、お父さんと裕太くんと……有岡。
あんまり振り返りたくないから、その場で立ち止まった。
バタバタと足音が目の前で止まり、息を切らした有岡がすごい顔をしている。
A「な、なに？
仕事は？」
有岡「トイレ行ってくるって……
わりぃ、ちょっと……」
呼吸を整えるのに、私じゃない方を見ている。
有岡「いや、謝らないとって」
A「もしかして、お母さんとの話、盗み聞きしてたの？」
有岡「まぁ……」
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2019年5月12日 17時
