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玉森母「また会えて、嬉しい…」




そう言ったかと思ったら、ポロポロと泣き出した。

慌ててバッグからハンカチをだし、お母さんに差し出すと





玉森母「ごめんね……本当にごめんね……」






ハンカチの事なのか、例の事なのか分からないけど、きっとずっと謝りたいって思ってたのが分かって。

悪いのは裕太くんなんだから、お母さんにそんなに謝られてもって思って。

ハンカチで涙を拭くお母さんに、こっちから話しかけてみた。






A「裕太くん、元気ですか?」





玉森母「うん、まあ。

  Aちゃんは?

  就職先、決まりそう?」






A「就活遅いの、ご存じなんですね」






玉森母「裕太が言ってたから」






A「そのせいで、私、フラれたんでしょうけど」






ちょっと嫌味っぽくなってしまって。

慌てて、グラスに口をつけた。






玉森母「Aちゃんとは、家族と思って接してたから、みっともない我が家の話、させてくれる?」






A「……はい」






言い訳的な事なんだなって、すぐ分かったけど。

息子の浮気で、こんな泣かれちゃ、こっちも聞くしかなくて。






玉森母「ハワイね、Aちゃんと行くって言ってて。

  帰ってきて、写真見せてーって言ったら、ないなんて言ってね。

  その代わり、私がAちゃんにあげたピアスを差し出されたの。

  喧嘩でもしたの?って聞いたら、フラれたって。

  実は、違う子とハワイに行ってて、それがバレたって、すぐに白状したの。

  久し振りに裕太のほっぺ、ビンタしたわ。

  お父さんにも、殴られてた。

  それも実習で忙しそうな日を狙ってって」







A「お、お母さん。

  その辺は、聞きたくない……」







玉森母「ご、ごめんなさい!

  Aちゃんに謝りに行ったけど、本当の事言えなかったみたいで」






A「えっ……

  そうなんですか?

  裕太くん、私と二人の時はちゃんと話してくれるけど、あいつがいたからか、気持ちを話してくれなくて。

  だからって否定もしないし、予想した事が当たっちゃったんだなって思ってました」
 





29→←27 裕太くんのお母さん



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作者名:やまぱん | 作成日時:2019年5月12日 17時

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