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A「そうなんだけど、浮気現場が駅だったってのは大きいかな。
どこに行くにも駅は使うじゃん。
またいたら、どうしようって思って」
母「そんな事で、いちいち逃げてたら、これから生きていけないよ？」
A「まあね。
お母さんには言ってなかったけど、高校の時に付き合ってた人もね、駅で色々あってさ。
ずるいし弱いなーって思うけど、ちょっとあそこから離れたい」
父「え、高校の時も彼氏いたのか」
A「一年ちょっとしか付き合ってないから、たいしたことないけど」
母「その子のせいで、海に飛び込んだの」
A「あれは、飛び込むために海に行ったわけじゃないけど。
まあ、そのせいだったな」
母「東高の子？」
A「ううん、違う……
ああ、もうその話は終わりー！」
父「もうここまで来て、こっちで約束もしてるんだろうけど。
やっぱり実家で就職したいって思ったら、言いなさい。
まあ、若い時に、一人で生活してみるのはいいと思うけど……」
母「お母さんは、いつだってAのサポートは出来るからね」
A「分かった。ありがとう。
って、三人で住めない前提じゃん！」
母「だから、それくらいの覚悟なのかって事よ。
最初の就職は、三年くらいは続けるようにして欲しいし。
そんな、フラれたから遠くになんて事、考えなくてもいいと思うから」
A「うん……
なんかね、ずーと昔から、あの家から出て行きたいなって思う事が何度もあったから。
あぁ、別にお母さんがって事じゃないんだけど。
ほら、小学校の時、いじめられた時とかもそうだった。
いまだに、あの時の女子達に会うと、目を反らしちゃうし。
もっとね、前を見て歩きたいなって思うの」
父「分かった。
北海道はいいとこだ。
冬は寒いけど、そういう体験をするのも悪くない。
保育士って仕事も大変だと思うけど、きっと働く親御さんたちの助けになるだろうから。
そうだな、お母さんが言うように、三年は頑張ってみろ」
A「うん。
じゃあ、明日からの園の見学は、真剣にやらないとね！
園の雰囲気を、ちゃんと見ないと」
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2019年5月12日 17時
