19 実習終了 ページ19
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A「お母さん、裕太くんとお別れしてきた」
母「え?・・・そうなのね」
A「お風呂入ってくる」
母「うん」
私の顔を見て、悲しそうな顔をしてた。
だけど、余計な事を言われなくてホッとした。
ちゃんとお母さんに言えた恋は、楽しかったなぁ。
明日一日ゆっくり休んで、また後半の実習頑張ろって思った。
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ガムシャラに頑張った後半が、今日で終わる。
ダメージを受けて、グダグダになるかと思ってたけど、前半よりモヤモヤがなくなり、ただ園児達の事だけを考えた一週間で、充実してた。
もちろん失敗もあったり、注意を受けたりしたけど、みんなの事を考えての事。
自分の未熟さを実感して、もっと頑張らないとって思えた。
「Aせんせー!』
そう言って足元に群がってくれる園児達が可愛くて。
誰かに求められてると思うだけで、嬉しかった。
でも、今日でお別れ。
二週間かけて、コツコツと作ってきた、折り紙で折ったお花の形のメダルを、みんなの名前とひと言書いて、首にかけて渡せた。
喜んでくれてるみたいで、すごく嬉しくて。
そして、いつのまに作ってくれたの?
色んな色の折り紙で、くじらを折ってくれて、大きな画用紙にいっぱい貼られてた。
自己紹介で海が好きですって言った事と、エプロンにつけてた名札が、いつも海の生き物だったからだね。
思わず泣いてしまった。
有岡みたいな男の子に「泣いてるー!」って、からかわれちゃったけど。
色んな思いがあってね。
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その後も遅番だったので最後までいて。
最後の子をお母さんに渡すと、ホッとするんだよね。
それから掃除をして、保育園を出たのは21時ちょっと前。
地元の駅に着き、自転車置き場に行く途中、上を見上げると、有岡がバイトをしだしたと言っていた居酒屋の看板が見えた。
ここなんだ・・・
裕太くんのバイトしてる居酒屋は、愛美とかと行ったことあったなって思い出して。
愛美にも別れたこと言わないと・・・・・・
あ、入口が開いた。
道の端っこに立ち止まり、その様子を見ていた。
女の子三人がワイワイ出てきて、その後に出てきたのが偶然にも有岡だった。
頭を下げて「ありがとうございました」と言ってるみたいだった。
その後、女の子一人ずつとハイタッチをしている。
それも満面の笑顔で。
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作者名:やまぱん | 作成日時:2019年5月12日 17時