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玉森「そうだけど……
別に、内緒にしてたつもりはない」
A「だけど、聞かれなければ言わなかった。
で、楽しかった？ハワイ」
玉森「いや、まあ……そんなに」
目を伏せたタイミングで、裕太くんの顔をジロジロと見た。
A「少し、日に焼けてるね。
そういえば、就活終わったから、髪の毛染めたんだ。
ふっ、私に会うから、お揃いのピアスしてきたの？
駅で会った時、してなかったのにね」
玉森「え、いや……
彼女いるの知らなかったみたいで、あの場で泣かれて。
行くのやめるか聞いたけど、もうここまで来てるしって行く事になって。
で、ホテル着いて、部屋に入って、海行くけど行く？って聞いたら行かないって言うから、別々に過ごしてた」
A「嘘……裕太くんらしくない。
裕太くんだったら、一緒に行こうよって言ったと思う。
自分が嘘ついちゃって、申し訳ないって気持ちがあったら、なおさら。
で、海の状態が良くない日は、彼女がしたかった観光とかショッピングとか付き合ってあげたと思う。
恋人同士じゃなくても、友達も知り合いもいない海外で二人きりで。
きっと関係が密接になったと思う。
これから就活を迎える私より、そばにいてあげたいって思ったんじゃない？」
裕太くんの横顔に語りかけてたら、途中で裕太くんは目を閉じてしまった。
しっかり聞いてるのか、無視してるのか、微妙な顔。
数秒後、本心を話すって顔になったけど、正面を見たまま。
玉森「もちろん、Aの事は好きだし、大切で、これからも付き合っていきたいと思う。
でも、こんな事があったら、嫌でしょ？
俺の事、信じられないでしょ？
だから、それだったら……」
そこまで言いかけた時に、滑り台の上から大きな声が聞こえた。
有岡「A！
お前からだろ！」
え、何？何が？
玉森「俺が彼女と喋ってんの。
邪魔すんなよ」
え、こんなイライラしてる裕太くん、初めて見た。
有岡「後悔すんなよ！」
A「後悔……」
この言葉を自分から言うのかと思うと、本当は嫌で。
フラれた方が気が楽なんだなって、初めて知った。
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2019年5月12日 17時
