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紙袋三つ分の思い出を、部屋の端っこにまとめた。
部活の思い出と、免許証と、ピアスの穴は捨てられず。
これからも一緒にいる事になるんだな。
日中の疲れが急に出てきて、ベッドの上で、パタンと記憶を失った。
・
目が覚め、下に降りた。
着替えて、お母さんの作ってくれた朝ごはんを食べる。
洗い物をした後、何をしようか考えて。
ピアノの練習をする事にした。
母「まだ、その曲弾けるのね」
最近子供向けの曲しか弾いていなかったから、昔、発表会でやった曲を、懐かしく思うんだね。
途中で弾きながら歌う、手遊び歌などもまじえながら、二時間近く練習していた。
その後も、何かしてないと落ち着かず、手袋シアターとかエプロンシアターとか、リビングで練習してた。
そんな姿を、お母さんは遠くから見ていて。
何も言わずに見守ってくれている。
もうすぐ、裕太くんにフラれるなんて知らずに。
・
・
A「お母さん、ちょっとキノコ公園行ってくる」
母「え？一人？」
A「ううん、裕太くんと」
母「うちに来てもらえば？」
A「うん、そうだね」
絶対誘わないけど、そう返事をした。
紙袋三つを持ち、徒歩でキノコ公園に向かった。
玄関で、これもだったと思い出した赤いベルトのサンダルも突っ込んだから、溢れそう。
足取りが重すぎる。
もう来てるかな？
なんて話出せばいい？
あの子もいたらどうしよう。
自転車だったら一瞬の距離を、少しゆっくりめに歩いた。
・
見慣れたキノコ公園にドキドキして。
暗いけど、裕太くんはいないのは確認出来た。
ベンチに荷物を置き、その隣に座った。
はーーっ
溜息しか出ない。
スマホを見て、
消して、
スマホを見て、
また消して。
、
何度か繰り返した後、白い自転車が公園脇にとまり、スラッとした人･･･裕太くんが現れた。
小走りに近づき、私の隣に座った。
裕太くんの方を見た。
だけど裕太くんは顔を少しだけこっちに向けただけで、全然目が合う状態じゃない。
普通、裕太くんから話すよね？
少しだけ沈黙があったあと、ちゃんと裕太くんから話し出してくれた。
玉森「ごめん、少し遅れちゃった」
最初のごめんで、もう謝られたのかと思った。
、
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2019年5月12日 17時
