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44 Daiki ページ44

Daiki





「俺が片づけをする」って言って。



「じゃあ宿題やっちゃお」ってAは電子ピアノの前に座った。


ヘッドフォンをつけて、楽譜を見ながら、練習してるっぽい。

洗い物が終わっても練習が続いてたから、Aの横に立った。

指を止めて、ヘッドフォンを外している。





A「終わった?ありがと」




有岡「ううん。

  何弾いてるの?」





A「四月の歌とお誕生会の時の歌」





有岡「え、聞きたい。

  ヘッドフォン、もう一つさせる?」






A「うん、まあ……」





急いで部屋に戻り、ヘッドフォンを持ってきた。

ダイニングテーブルの椅子をAの隣りに並べて座り、

ヘッドフォンを電子ピアノにつないだ。




久し振りに聞くピアノの音。

実家でも練習してたんだろうけど、寝てたか出掛けてたかで、聞いてない。

今は俺だけが聞いてるんだって思うだけで、すげー嬉しい。

曲は子供向けだからか、温かい気持ちになる。

いい気持ちになって、うとうとしだして。

ハッと目を開けたら、隣りでAがピアノを弾いてるのに、音が聞こえない。

慌てて立ち上がったら、繋がってたはずの線が抜けていた。





有岡「なんだよ、抜くなよ」





A「寝ちゃってたから。

  それに激しい曲、やりづらいじゃん」





有岡「いや、まあ……」




椅子にトンッて腰掛けると、Aがヘッドフォンを外したから、俺も外してみた。






A「タバコ、やめたの?」





有岡「なんだよ、急に。

  今の所、続いてるかな」





A「そっか。

  あ、寝るんならソファーの方が寝やすいよ」






有岡「……うん」





何か不思議だった。

寝るんなら、帰ればって言われるかと思ったから。




ソファーまでヘッドフォンが届かず。

諦めて、寝転びながらスマホでゲームを始めた。

時々Aの背中を見る。

ダボっとしたパーカーでも分かる華奢な体のライン。

後ろから抱きしめたい気持ちをグッと抑え、今は信用してもらう事が一番重要で。

親がいなくなった途端、そんな事しちゃダメだって自分に言い聞かせていた。





再びヘッドフォンを外したと思ったら、ピアノを片付けていた。


ソファーの前に立ったから、慌てて上半身を起こし、隣りに座れるようにした。





A「二人掛けのソファーに二人で座ると、顔が見れないよね」






そう言って隣りに座り、体の片側がAに密着した。

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作者名:やまぱん | 作成日時:2019年5月27日 23時

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