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Daiki





その後、ラーメンを食べに行った。

コインパーキングに車を停め、調べてきたというお店に着いた。

もちろんすでに並んでいて、その列に俺達も加わった。





A「お腹空いたねー」




そんな事言って、ニコニコしてる。





着かず離れずの距離。

手が触れそうで触れない距離。

まさしく、幼馴染の距離。



並べられた店先の丸椅子に、隣り同士で座った時、ちょっとAとの距離が縮まった。

反対の隣の人との距離を作りたくて、俺の方にくっついてるだけ。



こっちに来た日、Aんとこのキッチンで抱きしめて以来、ピッタリとくっつく。

さっき車で触れちゃったのは、偶然だからカウントしないけど。

仕方なく、くっついてるだけなのに、やっぱりドキドキして。

言葉少なめになった。






食券は、さっきのお金で俺が買い、カウンターだけの席に、案内される。

今日は久し振りに髪の毛をおろしてたけど、席につくなり髪の毛をゴムで縛りだした。

耳に光る小さめのピアスも見えた。

ピアスをしてるのも、久し振りに見た気がする。




味噌ラーメン専門店で、すぐにこの店の定番のラーメンが出された。

小さく「いただきます」って言う以外は無言で。

黙々とラーメンを食べた。




大盛りを注文した俺と、ほぼ同じタイミングで食べ終わり、最後に水を飲んでご馳走様をした。




ピョコンと店を出て、笑顔でこっちを見た。






A「基準が分からないから、なんとも言えないけど。

  まあ、美味しかったかな」






なんでもかんでも、美味しいっていう女子と違って、真面目な評価をする。

そういうとこ、Aらしい。






有岡「色々、食べ比べてみような」





俺の目をジーッと見て、ニヤリと笑ってから「うん」って言った。

その間は、なんなんだ。






A「ねえ、あっちの方に大通公園があるって書いてあったから、行ってみない?」




有岡「あ、うん……」








隣りに並び、大通公園を目指した。

途中で、目新しいものを見つけては、よく見てる。

色んなものに興味を持つ横顔が子供の頃と同じ顔をしていた。





思ってた以上に長く続いている大通公園。

テレビ塔も確認して、公園を横断して、どこに行くのかと思ったら





A「あったあった、これ、時計台」





有岡「え?え?何?」





A「もー、観光名所知らないの?

  写真撮ろ」





有岡「あ、うん」




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作者名:やまぱん | 作成日時:2019年5月27日 23時

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