38 Daiki 見送り ページ38
Daiki
窓を開け、挨拶をする。
三人は、どこに乗るかを話し合ってた。
結局、助手席におじさん、俺の後ろにA、助手席の後ろにおばさんが乗り込み
A父「ごめんな、休みの日に」
A「お母さんが、早く言っとかないから」
A母「ごめんね、大ちゃん」
有岡「全然、大丈夫っす」
車を出発させた。
後部座席で女子二人が喋ってて、たまにおじさん、もっとたまに俺に話がふられた。
仲良しだよなって思いながら、空港に向かった。
・
意外とあっさりと別れてて、なんだか拍子抜けした。
出発ロビーまで行かなくていいって言うし、車寄せで降ろして、そこでバイバイだった。
俺の真後ろから、顔だけ出し
A「隣に行ってもいい？」
有岡「そうしてもらわないと、落ち着かないけど？」
ニコッと笑って車から出て、後ろを回り助手席にきた。
おじさんが動かしたシートの位置を、自分仕様に変えている。
シートベルトをして、それが準備OKの合図になった。
A「ありがとうね、五日間。
すごく助かった」
有岡「いや、お役に立てて何よりです」
A「ふふっ、やっと二人きりになれてホッとする」
有岡「え……」
A「え、いや、そういう意味じゃなくてね！」
恋人同士だったら、その表現は間違ってないけど。
A「あの、有岡が緊張してるの分かったから、申し訳なくて」
有岡「おじさんたち、俺の事何か言ってた？」
A「え？すごく良くやってたって言ってたよ。
でね、これね、お礼だって。
私から渡した方が、受け取ってくれるだろって事で預かったの」
バッグから白い封筒を出している。
そのまま目の前のダッシュボードの中に入れようとしてるから
有岡「ちょ、ちょ、ちょ！
いいよ、別に。
どうせ暇だったし」
そう言いながら、左手でそれを阻止しようとしたら、Aの手を触ってしまった。
有岡「ごめん…」
仕方なく手を引っ込め、ハンドルを握った。
A「なんか、美味しいものでも食べて」
有岡「みんな、俺に美味しいものを食わそうとしてるんだな」
A「え？なに？」
有岡「Aも一緒じゃないとダメだかんな」
A「えー、私もいいの？」
有岡「他に誰もいねえだろ、誘うやつ」
・
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2019年5月27日 23時
