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Daiki




何をもっと話したいと思ってくれたんだろ。

すげー気になる。





だけど、そこで失礼をして、部屋に戻った。









部屋の中がひんやりと冷たい。

さっき暖房をつけてたのにな。

風呂のスイッチを入れ、そう言えば母ちゃんからの封筒の事を思い出し、ビリビリと破って開けた。



小さいメモには「たまにはAちゃんにご馳走してあげなさい」と書かれ。

中には10万円入っていた。

まあまあの金額でビックリしたけど、「お小遣いよ」って言うよりは正当化されてるから。

また、Aとご飯でも食べる事があれば、使わせてもらうよ。





スマホを出し、母ちゃんにメールをした。





“おばさんが来て、封筒受け取った。

 ありがとう。大切に使うよ”





それを送ったタイミングで、隣りの家のドアが開き、声が聞こえたので、帰るんだなって分かった。

Aが一人になったとこで、今日一日の役目が終わった気がした。





Aに連絡をしたい気持ちを我慢して、風呂に入る事にする。












翌木曜日も、おじさんの社宅で、ゴミとリサイクルするものとを分けて。

リサイクルショップに持ち込んだ。

七年間の荷物は、結構貯まっていて、着ない洋服もだいぶ捨てた。

お客さん用の布団セット二組は、うちとAのとこに一組ずつ置くことになった。




お昼はおばさんと二人で食事。

夕飯は四人で。

片づけをする時だけ、Aと隣に並んで話せた。





翌金曜日は、おじさんが送別会があるからと。

夕飯を三人で食べた後、おばさんはAのとこに、泊って行くんだって。






土曜日は、Aは仕事で。

おばさんを車に乗せて、おじさんの社宅に行った。

今日は、午後引越業者が来て、いよいよ引越になる。

箱に詰めるのも引越屋さんがやってくれて。

俺も、引越屋さんの見習いみたいに仕事を手伝った。





すっからかんになった部屋を、それぞれ見ていた。


俺は「終わった」っていう安堵感でいっぱいだった。


今日は、家族三人で過ごしてほしくて、友達もいないのに「用事があるんで」とドアを出ようとしたところで、おじさんに呼び止められた。




A父「大ちゃん、今回は手伝ってもらって助かったよ、ありがとう」





有岡「いえ」





A父「Aの事、お願いしますって言ったら、認めたことになっちゃうかな」





有岡「いや……」





やっぱりおじさんは、認めたくないっぽい。




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作者名:やまぱん | 作成日時:2019年5月27日 23時

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