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まだまだコートが手放せない三月の北海道。
助手席に乗る事を、視線で強要されて。
寒いから慌てて助手席のドアを開けた。
有岡「この四日間、少しだけ雪道にも慣れた気がする」
A「この前乗せてもらった時、全然大丈夫だったじゃん」
有岡「あの日は降ってなかったし。
今は、降ってるし夜じゃん」
A「えー、怖いならやめようよ。
大学の時、スキーとか行かなかった？」
有岡「多分、Aよりは行ってない」
A「私は助手席専門だから、分からないけど」
有岡「スタッドレスはいてるし、四駆だし、大丈夫！
って暗示をかける！」
A「そんな遠くないしね？」
有岡「シートベルトした？」
A「うん、大丈夫」
そういえば、有岡ってそういうとこあったかも。
意外と慎重派って感じ。
無事に地元の回転寿司に着き、美味しい美味しいって、いっぱい食べた。
横並びで食べると、距離が近い。
時々、有岡の膝がぶつかるけど。
ごめんとかなくて、チラッと私の方を見るだけで、微妙な距離感だった。
本当にご馳走になってしまって、お礼を言ったら照れてて。
なんだか可愛かった。
帰り道も慎重な運転で。
マンションについて、階段で二階まで上がった。
階段から近いのは有岡の部屋で、その前で立ち止まった。
有岡「まだやる事ある？」
A「ううん、だいたい終わってる」
鍵をガチャガチャと開け、玄関の中に入った。
そして、靴を脱ぐ前に
有岡「あのさ、うちで映画観ない？」
A「え？！」
有岡「動画配信サービス、入ったんだよね」
A「え、映画見放題ってやつ？」
有岡「うん、そう」
A「最近、映画なんて観てないなー」
有岡「じゃあ、決まりね。
あー、コンビニでポップコーン買ってくりゃ良かったな」
A「え、買いに行こうよ。
私がおごる」
有岡「あ、うん……
やっぱAはいいな」
A「何よ、急に」
有岡「なんでもない……行こ」
A「うん。
飲み物は、アルコール？
ホットココアなら入れてあげる」
有岡「あー、さっき寿司食いながら、飲みたいなーって思ってたんだけど、ココアも捨てがたい」
A「じゃあ、両方ね。
私は、アイスも食べたいなー」
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2019年5月27日 23時
