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うちのドアが開閉する音が聞こえるんだって思って。
ちょっと複雑な心境だった。
ってか、料理なんて出来るの?
昨日作っておいたカレーもあるし、どうしよう。
でもね、
A『うん、お邪魔していいの?』
有岡『うち、テーブルがまだないから、行ってもいい?』
A『着替えるから、10分後に来て』
有岡『分かった』
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恋人同士のような、この関係。
お父さんには知られたくなかった。
大急ぎでジャージに着替えて。
テーブルをふきんで拭いて有岡を待った。
ピンポーン
一応インターフォンを出る。
有岡「あ、俺……」
インターフォンの画面には、有岡の横顔が映っている。
A「待って」
ガチャンと鍵を開け、ゆっくりドアを開けると、画面に映ってなかった胸から下に、お皿を二つ持っていた。
A「あ、え?」
有岡「なんだよ、見るなよ」
A「え、見るなって言われても……」
お皿に乗ってたのは、いったいなんだろうって思って。
A「持つよ」
有岡「いいから、開けて」
部屋の入口の扉を開けるように指示をする。
そして、ダイニングテーブルにその二つの皿を置いた。
A「えっと……もしかしてオムライス?」
有岡「もしかしなくても、オムライス。
ケチャップのご飯と玉子が見えるだろ。
初めて作ったんだけど、難しかった」
ケチャップご飯が、お皿いっぱいに広がっていて、その端っこに玉子が見える。
A「玉子にくるむの、難しいよね。
なんかスープでも作ろうかな」
有岡「あ、俺にも見せて」
A「あ、うん……
野菜が不足してるから、具沢山みそ汁にしよっかな」
有岡「ふーん」
キッチンの後ろから、私の背中方向を見てるっぽい。
有岡「どうだった?仕事」
A「当たり前だけど、分からないことだらけで、大変」
手の動きを止めずに、手元を見ながら答えた。
有岡「まあ、そうだよな」
A「同期がいたの!
ちょっと嬉しい」
有岡「へー、よかったじゃん」
振り返り答えた。
A「うん。
有岡は?今日は何してたの?」
有岡「電気量販店と家具屋さん行ってきた」
A「そっか、いいのあった?」
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作者名:やまぱん | 作成日時:2019年5月27日 23時