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A「頑張ったのは認める。

  後半、女の子の気配がなくなってたのには、気がついてたし。

  でも、やっぱり浮気されるんじゃないかって不安がある」






有岡「Aと付き合ってた頃は、本当に女友達の感覚だった。

  体の関係もないし、部活でイライラしてて、女の子がチヤホヤしてくれるのが楽しかったし。

  で、彼女もいて、いい感じだったんだけど、その女友達と遊ぶなとか言われて、イラッとして別れちゃったんだ。

  Aとも、前の友達関係に戻って、仲良くしたいって思ってた。

  だけど、上手くいかなかった。



  裕太くんと付き合ってた頃は、当てつけで色んな女と遊んでた。

  前にも言ったけど、Aばっかり幸せそうでさ。

  でも、どんどん俺がみじめになって、どんどんAが離れて行ったよね。



  裕太くんとハワイの事件で、上手くいってないって知った時、別れさせたかった。

  だから色んな悪い事を吹き込んだ。

  純粋な二人は、ズタズタになっちゃって、ちょっと悪い事したなって思ってた。




  で、北海道移住計画になるわけ。

  最初は、Aんちの家族がいても、ちゃんとおばさんにも話して、そばにいさせてもらおうって思ってた。

  だけど、年末に、Aだけで行く事になったって聞いて、チャンスが来たって思って。


  うちの家族には話してきた。

  Aの事好きで、離れたくないからって。

  あの、勝手におばさんにも話してきたから。

  なんか微妙な顔してたけど、就職出来た事は、喜んでくれてた」









有岡は、ダラダラと今までの経過を話し終わった。

ずっと私の指をつかんでる。

この微妙な距離に緊張して、なかなか目が見れない。




私の本当の気持ちは、今は言いたくなかった。

有岡の女関係を見たくなくて、こっちに来たなんて言ったら、すぐに「じゃあ付き合おう」とか言われそうだったから。

私は、こっちで心を落ち着けて、新しい恋をしたいって思ってたわけだし。






A「で、まだ部屋の中は、空っぽなの?」




やっと、目を見れた。

そして、そっと手を引っ込めた。






有岡「あっ…‥

  寝袋は持ってきたから、それはなんとかなるけど。

  日用品を買いに行きたいかな。

  タオルとかもないし」



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作者名:やまぱん | 作成日時:2019年5月27日 23時

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