9 Daiki ページ9
Daiki
すごいスピードで食べてるから、そんな冷たくないと思って。
「あーん」とスプーンを差し出されたのが恥ずかしくて、慌てたのもある。
そんな事を考えてるうちに、器が空っぽになった。
仲良く割り勘で、お店を出てきた。
・
有岡「観覧車、並びに行こ」
A「うん！」
食事の後に塗り直してきたグロスが、またキラキラ光ってて。
もしかしたら、葵ちゃんからもらったという、香水も付けてるかもしれない。
香りの刺激と、並んでるカップルの多さとイチャイチャ感に、腰に腕を回し抱き寄せてみた。
・
30分は並んだ。
それでも、Aと一緒なら楽しかった。
案内されたゴンドラに入り、隣りに並んで座った。
少し涼しくなった体が、ホッとしている。
A「うん、やっぱキレイだね」
有岡「A、観覧車、好きなんだ」
A「好きって、この前大貴と一緒に乗ってから、好きになったんだよ」
有岡「高いとこ、怖くねえの？」
A「風で揺れるの怖いし、高くなるにつれて下見れないよ。
でも、この二人だけの密室感が良かったなって思って。
たまに、前後の人達と気まずくなることあるけど、聞こえないから大丈夫」
有岡「たったの１５分間だしな」
A「この前、葛西で二回乗ろ！ってなったの、贅沢だったよね」
有岡「俺が告白する都合でな」
A「ねえ、その告白された記念日に、また葛西の観覧車乗ろうよ」
有岡「おぉ、いいけど」
A「これから毎年だよ」
有岡「うん、そうだな」
一番高いところでひと騒ぎしてからは、静かになった。
腰に腕を回すと、Aは今日一、俺に寄りかかってきた。
俺のももの上に手を乗せ、甘えた風だ。
有岡「誕生日、遅くなっちゃってごめんな」
耳元で温かく呟く。
A「うん、もう絶対忘れないでね」
今日は、笑ってる。
至近距離で俺の目を見るから、やっぱり我慢できなくなって。
Aの後頭部を支え、キスをした。
グロスのせいか、いつもと唇の感触が違った。
そのまま夢中でキスをして、調子にのって胸を触ったけど、怒られなかった。
そろそろ地上だなという所で、さっきのプレゼントを渡した。
A「ありがと、大切に使うね」
すごく嬉しそうで、こっちも嬉しくなる。
有岡「うちまでは、持つよ」
・
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2019年3月13日 22時
