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あの横顔から想像はしてたけど、実際、大貴の口から聞くのはショックだった。
全然楽しそうじゃないし、かなり辛そうだから。
A「そっか…」
有岡「レギュラーになるのを目標にしてるけど、四月に入ってきた一年に越されるし、二軍の雑用ばっかで。
せめて、一軍の雑用とかやらせて欲しい。
もう、自分の実力がないの分かったから、前を向けないっていうか」
A「そうなんだ…
強豪校の大変さなんだよね、きっと。
うちの高校だったら、絶対レギュラーだと思うけど、大貴はもっと上を目指したんだし、尊敬してるよ。
でも、練習、ちゃんと出てるんでしょ？」
有岡「まあな」
A「偉いね。
楽しいって気持ちだけで生きていけないのって、大人になる準備なのかなって思う。
いや、私もまだまだ子供だし、よく分からないけど」
有岡「大人になる準備？」
A「社会に出た時に、全員がレギュラーメンバーじゃないし、下でちゃんと支えてくれる人がいて、世の中成り立ってるというか。
大人の世界は、やっぱり楽しいだけじゃないし、生活していく為に、それぞれ色んな努力をしてるのかなって。
世の中、色んな役割があるんだよっていう……
そんな大貴の事を、ちゃんと見てる人がいますよって」
有岡「えっ……まあ、そうなんだよな。
Aがいるから、頑張れるかな。
いつだって励ましてくれるから、つい愚痴っちゃった」
A「本当に辛くて、押しつぶされそうになったら、違う方向に進めばいいし。
そしたら、またその大貴を応援したいかな。
違う道、見つけられたんだって嬉しくなると思うし。
ホントは、何にも考えずに、こうやってぼーっとアイス食べながら、大貴に寄りかかって生きていきたいけどね」
有岡「なんだよ、それ。
それじゃ、ダメになっちゃうじゃん二人とも」
A「そうそう。
だから、とりあえず頑張るしかないのかなって思う。
大変だけどね。
大貴も、無理だなって思ったら、また相談して」
有岡「おぉ、なんか少し楽になったな。
学校じゃ言えないし、うちではもっと言えないからさ」
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2019年3月13日 22時
