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お互いのを食べるのは、やっぱりしてしまう。
間接キス……だね。
静かになった大貴をチラッと見たら、視線の先に、小学校のグランドでサッカーをやってる子たちが見えた。
A「懐かしいね。
大貴が練習してるの、たまにこっそり見てた」
有岡「知ってる…」
A「え？！やだ…うそ」
有岡「俺だって、Aの事好きだから、遠くても気がつくわ」
A「全然、こっそりじゃなかったって事だね」
有岡「でも、それが励みだったから
あえて、言わなかったけどな」
A「そ……」
なんか恥かしい。
葵ちゃんが飽きちゃうくらい、見てたから。
再び大貴の横顔を見ると、あまり見ない目をしてた。
どこかを見てるようで見てない、ボーッとした目。
A「大貴、なんかあった？」
ビックリした顔で、私を見た。
そして、ニコッと小さく微笑んだ。
有岡「やっぱAだけだな、俺の事分かってくれるの」
A「え、なんかあったの？」
有岡「いや、あの頃はさ、サッカーすげー楽しかったんだわ。
相手からボール奪ったり、点入れたら、すげーヒーローだったじゃん。
勝ったらみんなで喜んで、負けたら次、絶対勝つって意気込んだりさ。
ホント、楽しかった」
A「今は？やっぱり大変なの？」
有岡「あー、女の子に愚痴とか嫌なんだよなー」
A「私は、ずっと大貴の事見てきてるし、他の女の子と違うから。
なんでも聞かせて……ね？」
淋しそうな大貴の横顔に我慢できず、出来る限りの気持ちで大貴を包みこんだ。
大貴は大きく深呼吸をして、少年たちを見ながら、ボソボソと話し始めた。
有岡「なんかさ、二軍のレギュラーにもなれねえし、つまんねえんだ」
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2019年3月13日 22時
