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めちゃくちゃ顔が近い。
大貴の息がかかる距離で、いつもの優しい大貴が私に話しかけている。
どの大貴が本当の大貴か分からない。
今日最初に、誰かと比べて、私の方がいいって言ってた大貴だって、大貴だし、
私の事を面倒だと言ったのも、大貴。
私の顔をじっと見てるから、私も大貴の目を見た。
とっくに私のあごから離れてた指が、今度はほっぺを包んだ。
何を言い出すのか怖くて、目だけを左右上下に動かして、逃げたい気持ちを表した。
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有岡「ごめん。
俺が好きなのは、Aだけだよ」
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そして、当たり前のようにキスをされた。
なぜか、そんなに嬉しくなかった。
それどころか、『あの子とも、キスした？』って思ってた。
大貴は、すぐにキスをする人だったから。
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そのまま押し倒され、本日の私の任務を遂行することになった。
さすがにあの子とはシてないよな
感じてるふり……
私との関係性
男の子は、好きじゃなくても出来るんでしょ
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目をつぶって、終わるのを待った。
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身支度を整え、靴下をはいてたら、まだパンツ一枚の大貴に横から抱きしめられた。
A「痛いよ。
ちょっと待って」
有岡「あー、やっぱAの事、好きだわ」
必要なのは、体だけかもしれない。
そんな悲しい事が、あるかもしれない。
でも、まだ大貴の彼女でいたいから、顔の横で唇をとがらせてキスをせがむ人に、私からの大好きって気持ちをキスで返した。
有岡「へへっ、ねえ勉強教えてー」
A「え、私じゃダメなんでしょ？」
有岡「あ、あれ、嘘！
出そうなとこ、線引いて！」
まだ、私とお揃いのペンケースを使ってくれてて、私とお揃いのマーカーを差し出している。
「嘘」なんて、嘘をついてるけど、そう誤魔化すしかないもんね。
もしかして、私と……いや私の体との関係を切りたくないから、必死にいい子を演じてるの？
そんな事まで深読みするくらい、お互い単純な年齢じゃなくなってきてるから。
大貴に必要とされてる間は、やっぱり多少の事は目をつぶっていこう。
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青春って、こんな不透明でいいのかな。
この不透明さのせいで、やっぱりメールは週に一、二回しか出来なかった。
それも、大貴からのメールに、Re:をつけるばっかりだった。
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2019年3月13日 22時
