4 Daiki ページ4
Daiki
俺が女の子に対して、こんな口を利くのはAだけで。
特別な女の子だし、上辺の付き合いじゃないから、本音を言ってるんだけど。
Aの表情を見たら、それは違うんだって気がついたんだ。
怯えてた。
瞬きをしないで俺の事見てて。
しばらくすると、下を向き目をそらした。
Aは、なんも悪くねえのに、小さく「ごめん‥…」って呟いてた。
有岡「だからさー」
俺が強めに言ったら、一歩後ずさりしてた。
そして、思いつめた表情で、口を開いた。
A「怒ったりなんて出来ないよ。
だって、この二日間、不安で、仕方なかったんだから。
彼女の誕生日忘れるなんて、私の事好きじゃないんじゃないかって。
やっぱり幼馴染の延長で、一緒にいるんじゃないかって。
私は、大貴の誕生日を手帳を買った時から、楽しみにしてた。
それなのに……それなのにさ……
怒るより、不安とか悲しいが強かった」
有岡「ごめん……
大きい声出して、ホントごめん。
あの、今週末時間作ってくんない？」
A「日曜日、午前中だけ部活」
有岡「あ、俺もそうだと思う。
じゃあ、午後、出掛けよ」
A「いいの？」
有岡「いいのってなんだよ。
いいに決まってんじゃん」
A「お昼寝、したいんじゃないかと思って」
有岡「たまには、自分中心に考えてみようよ。
誕生日なんだしさ」
A「うん……
あ、あのさ、メールね、毎日送るのやめるから」
有岡「え、なんで？」
A「なんとなく」
きっと今回の事が原因なんだと思うけど。
もしかしたら負担になってたのかもしれない。
それなのに、ずっと言えなかったんじゃないかな。
Aが送ってこない日は、俺が送ればいいし。
毎日会えないんだから、不安にさせないようにしないとって思った。
有岡「なあ、このCD貸して」
A「大貴も聴く？
誕生日のプレゼントで、部活の人達からもらったの」
有岡「あ、じゃあまずい？」
A「全然大丈夫」
さっそく音楽を止め、ケースにしまっている。
部屋の隅の、お菓子がいっぱい詰まった袋・・・
有岡「これも？もらったの？」
A「大貴んちにあげたとか、嫌味っぽいしビックリした。
すごいでしょ」
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2019年3月13日 22時
