21 中間テスト ページ21
・
午前の試験後、図書館で友達と勉強をしていた。
夕方うちに帰ると、大貴の自転車がいつもの場所にとめてあって帰ってるのが分かった。
A「ただいま」
母「お帰り
ご飯、先でいい？」
A「うん」
二階にあがろうとしたら、お母さんに頼まれた。
母「お母さんの部屋、窓閉めといて。
雨降るかもしれないんだって」
A「うん」
面倒くさいなと思いつつ、お母さんの部屋に入った。
窓を閉めようと手をかけると、目の前にある大貴の部屋が嫌でも見えるから。
のぞくつもりがなくても、目がいってしまう。
部屋の電気がついていて、大貴の横顔が見えた。
立っていて、笑ってる。
もう、その瞬間 体が固まって。
見ちゃいけないと思いつつ、ちょっとカーテンに隠れて、様子を見てしまった。
・
誰かいる。
視線の方向から、ベッドの方を見ている。
何年も私は入れてもらえないから、今もそこにベッドがあるか分からないけど。
私の知ってる大貴の部屋は、そこはベッドだ。
そして、ベッドの方に近づいて、姿が消えた。
ベッドの上に、座った？
隣りに？
もっと最悪なのは、電気が消えた事。
生唾を飲んだ。
何が起きてるの？
昨日、メールを送った。
そして、昔より早い返信があった。
一応、恋人同士のような内容だけど、友達同士でもそのくらいの会話はするかもしれない。
お母さんの部屋から出て、自分の部屋に入った。
携帯……
携帯に、なんか重要な連絡が入ってるかもしれない。
・
重要？
重要ってどんな？
・
もう混乱して、自分でも何を考えてるのか分からない。
首から下がってるネックレスのペンダントヘッドを握って、助けてって強く思った。
そのまま携帯でメールを打つ。
A『今日、テスト一日目終わったー！
大貴も、今日から部活休みでしょ？
ちゃんと勉強してる？』
送信……っと。
・
・
返事はない。
その代わり、外で大貴んちの門が開く音がした。
誰か、送ってくの？
お母さんの部屋に行けば、多分見える。
送って行くために、電気を消したの？
それとも、おばさんが帰ってきた？
・
もう何も聞きたくなくて、iPodのイヤホンをして、ミスチルを大音量で聞いた。
また胸が痛くなって涙が出てきた。
助けて…ねえ、大貴
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2019年3月13日 22時
