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ちょっと前に裏原と言われ流行っていた辺りに入ってきた。
もちろん、裏原が流行ってても、来た事はないけど、裏通りにところどころあるショップは、きっとそう。
目印がほとんどない場所をぐんぐん進んでいく。
大貴が空を仰いだと思ったら、特徴的な店構えと大きく飾られた店名があった。
小さめの声で「ここ」と伝えられ、中に入っていった。
ちょっと怖い感じの店員さんに見られて、つないでた手をパッと離した。
その後、大貴は服を手に取っていたから丁度良かった。
白地のTシャツを何枚か広げ、悩んでるみたいだった。
A「バッグ、持ってるよ」
有岡「えっ、あ、うん」
ここでもまた、真剣な顔をしてる大貴の横顔が見れた。
ニコニコしてない大貴も、やっぱり好きだなって改めて思う。
胸の前にTシャツをあてて、鏡を見てる。
男子も、女子と同じ感じで買い物するんだって初めて知った。
有岡「どっちがいい？」
A「えっ！どっちもいいと思うけど」
有岡「んー、どっち？」
A「え…こっち？
大貴っぽい」
有岡「じゃあ、これにする」
A「え……」
ショップバッグに入れてもらって、店を出た。
本当に欲しかったみたいで、横顔が嬉しそう。
A「よく来るの？」
有岡「ううん、初めて。
兄ちゃんに聞いてきた。
ここの、欲しかったんだよね」
A「高いんだ」
レジで一万円札をだしてたのでビックリしたから。
有岡「まあな。
特別な時だけだよな」
A「そっか、すごいな」
有岡「次、どうする？
まだ帰らなくて大丈夫でしょ？」
携帯の時計は三時半を表示してた。
A「せっかく原宿来たから、クレープとプリしたい」
有岡「うん、いいよ」
女子の遊びを快諾。
両方並んで、だいぶ待ったけど、大貴と待ってるのは苦にならない。
ディズニーもそうだったなー。
クレープのあと、プリ撮りに行ったんだけど、大貴は初体験らしくてちょっと緊張してた。
ポーズとかなしでね、手をつないでそれで終わり。
私だって男の子と、どうやって撮っていいか分からないから、そんな感じで。
「Daiki's 17th Birthday」って書いたら、ペンを奪われて。
「の前日」って付け加えられた。
A「え、それいる？」
有岡「まだ、16歳の俺だろ」
A「そうだけど」
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2019年3月13日 22時
