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ファストフード店でハンバーガーを食べて。
私からのプレゼントはCDなんだけど、黄色い看板のCDショップで、選ぶ事になっている。
サンプルで聴けるCDをヘッドフォンで聴いてみて。
どれにしようか悩んでる。
そんな横顔もかっこよくて、私の自慢の彼氏の腕をつかんでみた。
有岡「ん？」
邪魔しちゃった事に後悔して、首を横にぶんぶんと振った。
外したヘッドフォンを私に差し出して
有岡「聴く？」
A「え……洋楽、分からないよ」
有岡「俺だって、歌詞の意味分かんねえし。
雰囲気だけ」
A「そうなんだ」
差し出されたヘッドフォンを耳に当ててみた。
やっぱり歌詞が分からないと、いいとか分かんないから。
感想も言えなくて。
有岡「どお？」
A「んー、大貴みたいに優しい声だった」
有岡「ふっ、そっ」
鼻で笑われた。
だから恥かしくなった。
それなのに、そのCDを一枚持って
有岡「これにする」
そうニコッと笑った。
A「あ、うん……」
大貴の手からそれを受け取り、レジでラッピングしてもらった。
その間も、大貴は他のヘッドフォンを耳に当てている。
音楽が好きな大貴も、やっぱカッコいい。
次は洋服。
店を右に出て、歩いて原宿方面へ移動する。
A「大貴の誕生日の頃って、気持ちいいよね。
大好き…」
有岡「告白されたっぽい」
A「ち、違うよ」
有岡「何？嫌い？」
A「知らない」
有岡「待て待て待て、知らないってなんだよ」
A「ふふっ、教えない」
ふざけて意地悪したら、繋いでた手をグッと引かれて、私の耳元に唇がくっついた。
・
有岡「俺は好きだよ」
そんな恥かしい事、この青空の下、よく言える。
顔が赤くなって、大貴の事見れなくなった。
有岡「Aは？」
クルクルした目で、私をのぞきこんだ。
A「後で言う」
有岡「なんだよ、それ。
可愛いじゃねーか。
後って？どの後？
ねえねえ、今言おうよ」
A「やだよ、もー」
こんなバカみたいな会話をしながら、明治通りの歩道を歩く。
車が行きかう道路のお陰で、声が消されてる気になってるから、恥かしさも全然なくて。
大貴とケラケラ笑ってるこの世界が、私のすべてだった。
本当は大きな声で言いたい。
大貴、大好きだよ！
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2019年3月13日 22時
