13 ホワイトデー(高1) ページ13
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A「え、これって高価なもの？」
有岡「ううん、ネットで探したんだけど、アルバム一枚よりちょっと高いくらい」
ハートの形で、真ん中にピンクの石が付いている。
A「これ誕生石？」
有岡「うん、10月はトルマリンって書いてあったから、それにした」
A「ふーん、なんか嬉しい。
アクセサリーもらえると思ってなかったから、すごく嬉しい」
有岡「前にも、アクセサリーあげただろ」
A「ふふっ、ミヨシのね。
えっ！これ、ミヨシで買ってないよね」
有岡「買うかよ、子供じゃあるまいし。
ネットで買ったって言っただろ。
だけどさ、ちょっと怪しいよな。
すげー安いし」
A「高いブランドのやつは、大貴がバイトしだしたら貰うから、それまで待ってるね」
有岡「はいはい、それまでそれで我慢してくださいな。
つけてやるよ」
A「え……うん」
チェーンの部分を持って、ペンダントヘッドを大貴の手のひらに乗せた。
そしてチェーンをのばしたまま、そっと離した。
おろしてる髪の毛を手でまとめ、首が見えるようにした。
ベンチの後ろに回り、後ろからペンダントヘッドを喉の下辺りに当て、首の後ろでモゾモゾと手が動き出した。
時々当たる手が、冷たくてヒヤッとする。
有岡「あ？え？こうか？
ムズッ！」
暗いから良く見えないみたいだし、だいぶ時間をかけてつけてくれた。
彼氏がネックレスをしてくれるイメージとはだいぶ違ったけど、慣れてないところが、逆に新鮮で嬉しかった。
ベンチの隣りに戻ってきて、ペンダントヘッドを覗き込んでるから、ハートをつまんで見せた。
A「可愛い。気に入ったよ。
ありがと」
ニッと笑ったあと、すっと後頭部に手が回り、あっという間にキスをされた。
有岡「Aが可愛い」
急に変な事言うから、恥ずかしくなって下を向いた。
有岡「そういうとこも、可愛い」
A「もう、いいよー」
マーブルチョコを10本もくれて。
大貴は自転車をひいて、私は徒歩でうちの前でお別れした。
うちではネックレスは外したけど、それ以外ではネックレスはずっとしてた。
セーラーからは首のチェーンが見えるくらいだし、ピアスをしてる子がいるくらいだから、そんなに目立つ感じじゃないしね。
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2019年3月13日 22時
