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A「有岡・・・学校行くの、怖い」
有岡「うん、そうだよね。
でも、ちゃんと守るから、だから明日は行こっ」
小さい頃は、いつも守ってくれてたから。
だからもう一度信じてみようと思う。
A「うん・・・」
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有岡は帰って行った。
教室に入るの怖いけど、一人じゃないって思えたから。
葵ちゃんも伊野尾くんも八乙女くんもいてくれるしね。
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寝る前に、風船玉の封を開け、少しだけ中身を出してみた。
このなんとも言えない匂いが懐かしい。
有岡が覚えてくれてたことが嬉しかった。
にしても、お小遣い30円しかないって。
それも、私の為に全部使ってくれたのかな。
それなら、仕方ないか。
お布団に入り、さっき口元に触れた有岡の唇を思い出していた。
これで三回目。
いつもドキドキして苦しくなる。
学校に行くのが嫌になるドキドキじゃなくて、顔が赤くなりそうなドキドキ。
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翌日、葵ちゃんが迎えに来てくれた。
いつもはキノコ公園で待ち合わせするんだけど。
ドアを開けると、伊野尾くんと八乙女くんもいて、なんだかホッとした。
葵「行こっ」
A「うん・・」
葵「昨日ね、有岡くんがみんなの前で『幼馴染だから、ちょっと他の人より仲良く見えるだけ』って言ってたんだよ。
もっと早く言ってくれれば、こんなに痛い思いしなくてよかったのにね」
伊野尾「まあ、変な風に思ってたやつらだって、ほんのちょっとだしさ。
基本、Aは嫌われてないから、大丈夫だって」
八乙女「今まで通りでね」
伊野尾「後ろからついてきてるやついるぜ。
ボディーガードのつもりかって」
クルッと振り返ると、有岡がいた。
いつも、寝坊でギリギリの人が、ここに一緒にいるってのにビックリした。
きっと「守るよ」って約束した事の一つなんだね。
すごく嬉しかった。
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教室に入っても、いつもと変わらない朝を迎えていた。
よかった・・・
ちょっと変わった事と言えば、有岡の周りに女子がいなくなった。
葵ちゃんが言うには「やっぱ無理だわ」って女子たちに言ったらしい。
「あんな事するやつは、許さねえから」とかカッコつけてたみたいで。
犯人がはっきり分かったわけじゃないけど、教室全体に言ってたんだって。
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2018年8月29日 23時
